おしゃれな場で発達障害支援 放課後等デイサービス「みらい教室」代表・平林さん

兵庫県のキャラクター
神戸新聞Nextさま
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■放課後等デイサービス「みらい教室」代表の平林景さん(兵庫県尼崎市)

白を基調に、水色や青、紺の三角形が壁と窓、床に配された教室。別の教室は黄緑、黄色、オレンジと、全ての壁が異なる原色で彩られている。天井が木目で、植物があちこちに並ぶ教室も。発達障害のある子どもたちが通う、尼崎市の放課後等デイサービス「みらい教室」だ。

「おしゃれでしょう。『障害があるからこそ通える』と自慢したくなる教室を作りたくて」。サイドを刈り上げ、中央はパーマが掛かる髪型。全身黒の服を着て、くしゃっと笑う。

元美容師。小学6年の長男は発達障害があり、「当事者だからできる」支援サービスを心がける。明るく華やかなカフェや美容室をイメージしたデザインを教室に施し、一人一人の個性に合わせた対応ができるマンツーマン指導を採り入れた。

2017年4月に尼崎市南武庫之荘1に一つ目の教室をオープンし、これまでに市内3カ所に展開。現在、阪神間から計約120人の子どもが通う。

19歳から7年間美容室で勤め、手のアトピーがひどくなり退職。美容専門学校の経営部門で働いた。一方、長男のデイサービスを探す中で、シンプルな施設が多く、積極的に「行きたい」と思えなかった。子も親も、胸を張って楽しく行き来できる場所があれば-。「だったら自分で作ろう」と思い立った。

専門学校を運営する法人の新規事業として、発達障害がある子が通う学習塾の立ち上げに尽力。長所を伸ばそうと、芸術や体操、プログラミングに取り組めるようにした。事業が軌道に乗る中、「やりたい分野を突き詰めたい」と起業した。

教室の設計は、デザイナーと細かく話し合った。「福祉のイメージを変えたい。風通しが良く、明るい未来を感じられる場所に。じゃないと自分のやる意味はない」。41歳。美容師の感性とプライドは、これからも持ち続ける。(小谷千穂)

【メモ】

「起業で子どもとの時間が増えた」。発達障害児の父親の支援にも目を向ける。自身の経験や障害者の就学、就労の現状をつづった著書が今夏発売される。放課後等デイサービスみらい教室(本教室)TEL06・6480・5332

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