真夏日のベビーカーは「35度超え」高まる赤ちゃんの熱中症リスク。注意すべきポイントは


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------------------------------------------------------------------------------------------------2018年が統計史上初となる6月に梅雨明け、7月からいきなり猛暑、と比べると、今年はひときわ「涼しい」と感じた7月。



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だが、それももう終わり。第4週後半からは猛暑が予想されている。8月も「平年並みに晴れの日が多い」と予測されており、過酷な暑さが続きそうだ。



昨夏大きな社会問題になった熱中症だが、特に体温調節機能が未発達な赤ちゃんたちにとっては「試練の季節」。真夏日には、ベビーカー内の温度が35度を超える場合もあり、熱中症の高いリスクにさらされている。



ベビーカー内、外より2度高いことも

環境省の「熱中症環境保健マニュアル2018」によると、気温は地上150センチの高さで測定するが、晴天の場合、照り返しなどで地面に近いほど気温は上がる。風が弱く日差しが強いと、ベビーカーの高さに当たる地上50センチの体感温度は、2度程上昇することもあるという。



同マニュアルによると、東京都心で32.3度を記録した場合、ベビーカー内の赤ちゃんの体感温度は35度を超える。猛暑日に当たる35度以上の時は、37度に達する計算で、体温を上回ってしまう恐れすらある。



2018年は、東日本の7月の月平均気温が統計開始以来最も高くなるなど、記録的な猛暑に見舞われた。厚生労働省によると2018年6~9月、1500人超が熱中症で死亡。多くは高齢者だったが、乳幼児の死亡事例もあった。



2019年のように7月の気温が低い年も、油断はできない。体が暑さに慣れていないため、急に気温が上がると、猛暑というレベルではなくとも熱中症にかかりやすいという。



特に、ベビーカーに赤ちゃんを寝かせている場合、直射日光を避けて日よけを下ろすことも多く、熱や湿気がこもりがちだ。さらに、赤ちゃんは汗腺が十分に発達していない上、のどの渇きを訴えることもできないため、熱中症のリスクはさらに高まる。



環境省は「大人が暑い時は、幼児はさらに高温の環境にいる」として、特に注意するよう呼び掛けている。母は水分補給に四苦八苦

とはいえ親は、暑い日でもエアコンの効いた部屋に、赤ちゃんとひきこもってばかりはいられない。保育園の送迎や食材の買い出し、兄や姉の外遊びや習い事への送迎などは、待ったなしだからだ。



「初夏ですら、暑い日は寝ている娘をベビーカーから抱き上げると座面が熱く、背中も汗びっしょりだったことが何回もありました」



生後7カ月の女児を育てる母親(29)は話す。ベビーカーは暑いからと抱っこ紐を使っても、母親と密着するため、体が熱くなるのは同じだという。本格的な暑さに備え、熱中症対策の保冷グッズなどを物色する毎日だ。



さらに娘はまだ、赤ちゃん用のマグでうまく水やお茶を飲むことができないという。哺乳瓶でミルクを作ろうとすると、カフェなどに入らなければならない。ベビーカーが邪魔にならず段差もなく、赤ちゃんが泣いても迷惑にならなそうな店を選ぶのは一苦労だ。これからの季節、喉の乾いた赤ちゃんを連れて、炎天下の町をさまようことにもなりかねない。



「出産して初めての夏なので、まだ勝手がよく分からない。娘は何も言ってくれないし……」



別の母親(40)も昨夏、生後3カ月の男児をベビーカーに乗せて外出した時、座面の熱さに驚いたという。「顔の見えない背面式のベビーカーだったので、何度も何度も前に回って、子どもの様子を確認するのがストレスだった」と振り返る。

「顔が赤い」「息が荒い」が注意ポイント

そうした親子のサポートに乗り出した企業もある。



今年も熱中症が心配される中、アサヒ飲料は育児世代を応援する「子育てサポート事業」の一環で、「ベビーカー熱中症予防レスキューマップ」と題した冊子を作成。同事業に賛同し、親子連れを積極的に受け入れる都内と横浜市内のカフェや商業施設、計40カ所の地図を掲載している。



冊子には熱中症に関する情報も記載している。それによると、子どもに以下のような症状が見られたら、水分不足に陥っている可能性があるという。



顔が赤い



息が荒い



水を飲むのを嫌がったり、飲む量がいつもより少なかったりする



呼びかけてもいつものように反応しない



元気がなく、ばてているように見える



尿の量が少なく、色が濃い



さらに、ベビーカーはなるべく座面の高い商品を選ぶ、暑い日は日よけを下ろしたままにせず、赤ちゃんの表情を定期的に観察するなどの注意点も挙げている。



また水分補給の際は、1回当たり乳児用マグカップの約4分の1(約50ミリリットル)を目安に、こまめに飲ませるとよいという。冊子と同じ情報は、サイトでも閲覧可能だ。



アサヒ飲料の宮本敬文お茶・水グループリーダーは「飲料メーカーとしては、夏は暑いほど商品が売れるのでありがたいが、近年ここまで暑くなると、喜んでばかりはいられない。母子の健康のためにできることはないかと考え、マップを作成した」と話す。



また、ベビー用品専門店やネットショップでは、ベビーカーの底に取り付けて照り返しを遮断するシートや、座面用の保冷ジェル、ベビーカーの部品に取り付けられる小さな扇風機など、さまざまな熱中症対策グッズが販売されている。



「一番使い勝手がいいのは、生鮮食品を買った時にスーパーなどでもらえる小さな保冷剤。赤ちゃんの体の、いろいろな部分に当てられる」(1歳男児の母親)との声も。



いかに赤ちゃんを熱中症から守るか、親は試行錯誤を繰り返すことになりそうだ。




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