企業型保育所 審査の厳格化で不正を許すな


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施設数の拡大を急ぐあまり、審査が甘くなったのではないか。

 企業が主に従業員向けに整備する「企業主導型保育所」を巡り、国の助成金2億円超を不正に受給したとして、福岡市の保育コンサルタント会社代表ら2人が、東京地検特捜部に詐欺容疑で逮捕された。

 名古屋市と福岡市に設置予定の保育所について、実際は結んでいない工事請負業者との契約書を偽造するなどして、整備費用の一部をだまし取ったという。

 どのような審査が行われ、なぜ不正を見抜けなかったか。再発防止に向けた解明が求められる。

 企業主導型保育所は、待機児童解消の切り札として、政府が2016年度に導入した。

 自治体の認可が不要な認可外施設だが、認可施設並みの助成金が受けられる。迅速な施設整備が可能で、3年間で助成が決定したのは全国3800施設、定員8万6000人分を超える。

 保育の受け皿を広げ、従業員の働き方にあった柔軟なサービスを提供できる意義は大きい。

 一方、急速な拡大で、助成金を巡る不正も相次いでいる。

 工事費を過大に見積もって助成金を詐取したとして、松山市の保育所運営会社の元代表らが今月、詐欺罪で起訴された。園児数を水増しするなどした秋田市の元会社代表も実刑判決を受けた。

 助成金の審査は、内閣府に委託された公益財団法人が担う。昨年度は約50人で、提出された書面を中心に審査したという。審査の問題点を検証し、不正を許さないチェック体制を整えるべきだ。

 安易な事業参入も目立つ。

 17年度までに助成決定を受けた252施設が、申請者の都合などで既に事業を取りやめた。経営者の方針に対する不満などから保育士が一斉に退職し、運営できなくなった施設も複数ある。

 会計検査院は4月、大幅な定員割れが生じている施設が多数あるとして、「定員の見通しが甘く、開設後の指導も不十分だ」と指摘した。内閣府は、悪質な施設に対して国が直接指導するなどの改善策を検討している。

 企業主導型保育所の整備・運営に確保された予算額は、18年度までの3年間で計3800億円に上る。多額の公費が投入されている以上、しっかりした運営が求められるのは当然である。

 職員に占める保育士の割合を高める。利用者の声を運営に生かす。こうした取り組みを重ね、企業主導型の質の向上を図りたい。
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コメント

  1. この事件は言語道断。しかし真面目にしている企業主導型保育事業者はほとんど。それにしても内閣府の委託を受けている児童育成協会の対応はまずい。先日も3月27日に発令された補助金のルール変更のために、1名の入園児を認められず、補助金を頂けない。その1名は2月中に入園を手続きされていたので、後付け変更は迷惑な話です。在園児を増やせという要求に反して規制をかけている。

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