親には地獄!? 子どもの夏休みが家計を圧迫…識者が“居場所づくり”を提言


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TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月〜金曜7:00〜)。7月23日(火)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんが、小学生の夏休みの過ごし方をテーマに意見を述べました。

◆数多くの体験の機会もあるけど……

夏休みに入り、子どもを預けられるだけでなく、普段と違う体験ができるキャンプや海外留学の人気が高まっているようです。特に川遊びや飯盒炊飯などの体験や富士山の火山洞窟探検などのサマーキャンプは、年代や生活環境の違う子どもたちが共同生活をし、学ぶことが多いと親たちにも人気となっています。

小学生の子どもを持つ親たちにとって“夏休みの期間は大変だろう”と、「学校側が8月27日から2学期を始業したり、プールの期間を2週間設けたり、朝の学習会を1時間ずつ1週間やるなどの対策を取ってくれている」と柏木さんは言います。それでも、「やはり夏休みは、親にとっては地獄で、すごく大変なんです」と打ち明けます。


そして、次のように小学生の夏休み期間の現状を説明。

・小学1〜3年生
学童保育に入れている子どもたちは、学校内や児童館などで8:00〜19:00ごろまで預かってくれるそうです。一方で、学童待機児童はおよそ1万7,000人。こうした待機児童の増加に対応するべく、2015年に学童保育に関する制度が改正され、全学年が対象となりました。

しかし、職員の人手不足も顕著となっており、指導員の配置基準を緩和するなどの対策も講じられているものの、「実際にはぎゅうぎゅう詰めで、現場では小学3年生でさえ、入れてもらえない状況」と柏木さん。

図書館や児童館などの施設は、学童保育組に占領されていて、学童保育に入れていない子どもたちは、短時間且つ狭い部屋しか使えない状況だそうです。そのため、「結局、親たちは英語やプログラミング教室などをやっている民間の学童保育に1日1万円、月に20〜30万円出して、(子どもを)預けるなどしている。あるいは、1日中留守番です」と過酷な現状の例を明かします。


・小学4〜6年生
学童保育は全学年が対象ではあるものの、ほとんどは主に小学3年生までしか預かってもらえないのが現状だそうです。共働き世帯や1人親家庭の子どもは、「外に遊びに行ってトラブルがあったり、ゲームやテレビ漬けで家にずっと1人でいたりする。朝起きない、朝ごはんを食べないなど不規則な生活になってしまう」と話します。

◆居場所がない子どもたちの改善策は?

そんな背景もあって、YMCAやホールアース自然学校など、自然のなかで1〜2週間キャンプで過ごすものや、短期留学などが人気だそうです。さらに柏木さんは、「(子どもが)夏休み明けの規則正しい生活に戻せず、不登校になっては困るから、親がお金を出してでもキャンプなど宿泊付きのところに行ってくれという状況」と悲痛な親の心情を代弁。

最後に、改善すべき点として「小学4年生以降の学童保育の設置」を提案します。NPO団体が運営しているカフェ学童などもあるそうで、「そこでは保育士見習いの学生などが先生として来たり、ポイント制のボランティアでシルバー人材を集めたりしている」と新たな取り組みを紹介。「国、都道府県、市町村が3分の1ずつお金を出し合っているが足りない状況なので、工夫が必要」とし、まだまだ課題が多くあることを示唆していました。
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