子どもの弱視防止「幼児期」が大切 新潟医療福祉大学教授が特別講義

眼科検診のイラスト(学校の健康診断)
福井新聞
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子どもの目の健康を増進する福井県鯖江市の「眼育(めいく)プロジェクト」の一環で7月27日、保育士や幼稚園教諭を目指す学生を対象にした特別講義が、福井市の仁愛女子短期大学で行われた。新潟医療福祉大学の石井雅子教授が教壇に立ち「視覚が発達する幼児期の眼育は特に大切。弱視などを早期に発見するためにも、目の健康について理解を深めて」と呼び掛けた。

 同市は眼鏡産地にちなんで本年度から、眼育プロジェクトを本格化。幼児教育に携わる人材への理解を広めようと、同短大と連携して初めて特別講義を企画した。幼児教育学科の1年生約100人が受講した。

 石井教授は眼球の成長過程や、物が見える仕組みを解説しながら「視覚の感受性は8歳までに高まる。幼児期に視力不良を発見できれば、弱視などの発生を防ぎ早期治療が行える」と指摘。幼児期の定期的な視力検査の重要性を説いた。紙芝居や絵本を使えば、乳幼児にも遊び感覚で検査できると提案した。

 学生たちは、複数のレンズを使って遠視や近視の見え具合を体験。石井教授は「遠視は遠くがよく見えるのではなく、ピント調節が難しいのが特徴。(遠視用の)眼鏡はあくまでピントを合わせやすくするもので、掛けるのを嫌がる子に理解してもらえるよう正しく知っておいてほしい」と話した。

 保育士を目指す大野市出身の学生(19)は「子どもが眼鏡を嫌がる理由など、目の健康について初めて聞く話もあり参考になった」と話していた。

 鯖江市は今後、就学前の視覚検診の充実や眼育の啓発活動などを展開していく方針。

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