人気ベッドタウンで人口急増に住民反発!待機児童も増加…高層マンション規制条例要求


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大阪と京都のベットタウンとして知られる大阪府島本町で、市民団体が“町内の建物の高さを制限する条例”の制定に向けて動き始めました。住宅開発に伴う急激な人口増加などで、待機児童が増えているというのが理由の1つです。

 大阪府島本町。人口約3万人ほどで、大阪と京都の境に位置し、町の西側には田園風景が広がっています。2008年にはJR島本駅が開業。近年には高層マンションの建設が相次ぎ、人口は駅の開業当時から2000人増加しました。町が活性化して賑わいが生まれる一方で新たな問題が出てきました。

 【市民団体『しまもと景観・環境まちづくり会議』の会見】
 「過剰に人口が増加することに対しての危惧が有り、待機児童の増加が懸念されている。緊急にインフラを整備して保育園を建てたとしても、保育士不足が解消されるのか。」

 島本町では現在、公立の保育所2つと民間保育施設が6つあります。そんな中、2017年度には待機児童率は5.6%と大阪府下ワースト。2018年度も4.9%で、2年連続でワーストとなっています。そして今年はさらに悪化しています。今年4月時点の大阪の自治体別の待機児童率を見てみると、島本町は待機児童の数は84人で待機児童率は11.04%と群を抜いて高水準だということが分かります。

 【大阪府の待機児童率(2019年4月1日時点)ワースト5】
 島本町  :11.04%
 泉大津市 : 2.60%
 和泉市  : 1.93%
 東大阪市 : 1.54%
 富田林市 : 1.47%

 4歳の長女と2歳の長男を持つ岡村友章さん(33)。2人とも保育施設に通わせる計画でしたが、2年以上も待機児童の状態が続いています。

 「子どもが増えること自体はいいが、保育の環境整備との整合性がとれていない。下の子もまだ2歳で幼稚園に入るまでにはまだ時間があるし、その間の生活をどうしていくのか、心配は心配ですね。」(岡村友章さん)

 こうした事態を受けて、島本町は去年、町民向けてこんなメッセージを出しました。

 【島本町の『保育緊急事態宣言』より抜粋】
 「ここ数年は、毎年100名近い待機児童が発生し、さらに増加が見込まれています。残念ながら即時に問題を解消することは難しいのが現状です。ここに保育の『緊急事態』を宣言し、問題の解消に取り組んでまいります。」

 島本町は待機児童の解消策として、新たに民間の保育施設を公募するとしています。しかしその一方で、JR島本駅の西側に広がる田園地帯を開発し、新たに2000人規模の高層マンションや戸建て住宅を建設する計画を立てているのです。こうした計画に対して市民団体は猛反発しています。

 【市民団体『しまもと景観・環境まちづくり会議』の会見】
 「7割近くの人が、この緑が豊かであること、それから水が美味しいことが一番の魅力だと。だから住み続けたいという声が多い。私たちの声がなかなか町に届かない。」

 住民の白藤美穂子さん(60)も美しい景観を残して欲しいと訴えています。

 「子どもたちもこの道を通るたびに、四季の稲が田んぼに植わっていて実ることや、田んぼにタニシやドジョウがいるんですが、そういったものを体感して成長していけることは素晴らしいことだと思う。この環境を残していくためには、これ以上高いマンションは要らない。」(白藤美穂子さん)

 市民団体は町長に対して、今後“建築物の高さを20m以下に制限する条例”の制定を直接請求するとして署名活動を行うとしています。町の活性化を推し進める一方で、待機児童が急増するなど行政側の対策の遅れが指摘されていますが、島本町はMBSの取材に対して「人口増加による急激な保育施設のニーズを予想できなかった」とコメントしています。
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