来月から幼保無償化、青森県内市部で入園希望増


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10月から幼児教育・保育の無償化が始まる。青森県内では対象となる3〜5歳児の保護者らが歓迎する一方、認可保育所などを希望しても定員オーバーで入れずにいる親たちからは「不公平。待機児童の問題を早く何とかしてほしい」と切実な声も。八戸市では10月からの入園を希望する利用申込者(転園含む)が9月のほぼ倍に増えるなど、無償化も一因とみられる保育ニーズが高まっている。「ますます待機児童が増える…」。実務を担う自治体も頭を抱える。

 「いよいよ10月1日から保育料無償化が始まります。保育園の場合は4月1日時点で満3歳以上の子どもが対象となります」。今月7日、青森市の青森聖星保育園で開かれた説明会。集まった保護者約40人に、三上省治園長が説明した。「無償になるのはありがたい」「浮いた分は家族のために使う」。対象となる保護者からは歓迎する声が多く聞かれた。

 一方、育休中の八戸市の会社員女性(31)は表情を曇らせる。「あと数カ月で育休が切れる。年度途中は保育園に空きが出ないと入れないと聞いて、どうしたらいいか…。無償化で預けたい人が増えれば、入れない人も増えますよね」

 実際のところ、10月からの保育園利用申込者(転園含む)は八戸市が約180人と、9月入園希望者の約90人から倍増している。各月の申込者数には、入園先が決まらず翌月に持ち越しとなる人も含まれるため、秋ごろから徐々に増える傾向があるというが、倍増は異例。1.3倍の青森市(309人)、1.1倍の弘前市(189人)と比べても目立って増えている。

 「10月入園希望が集中している。やっぱり無償化の影響はある」と八戸市の担当者。同市では保育施設を利用していない子育て世帯にも無償化制度の通知を送り、入園の相談や問い合わせも増えているという。認可保育園などに希望しても入れないでいる同市の待機児童は9月時点で10人ほどいるため、「預かり保育ができるところなどを確認しているが、どうやっても待機児童は増えると思います」。

 一方、9月時点では待機児童ゼロの青森、弘前市も今後の増加を懸念する。県こどもみらい課によると、青森県の待機児童は新年度の4月1日時点で例年ゼロとなるが、年度途中は育休明けのタイミングなどで軒並み発生。昨年10月は21人、今年3月は163人だった。

 政府は2020年度末までに「待機児童ゼロ」を掲げ、保育人材の確保などに取り組む自治体を支援。県は今年2月に対策協議会を設置したが、協議はまだ始まったばかりだ。

 「無償化は施設に入れる人の子育て支援。じゃあ、待機で入れない人への支援は?」。かつて待機を経験したという青森市の母親(30)が疑問を呈した。

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<幼児教育・保育の無償化> 国の子育て世帯支援政策。幼稚園や認可保育所、認定こども園の利用料を無料とする。消費税増税と合わせ10月1日から始まる。3〜5歳児は原則全世帯対象だが、0〜2歳児は住民税非課税の低所得世帯に限る。一部の私立幼稚園は月2万5700円、認可外保育所は3〜5歳児が月3万7千円、0〜2歳児は月4万2千円を上限に費用を補助する。給食費や遠足費は原則対象とはならず、保護者の負担となる。


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