私も力になれるかな… ウィッグ用髪寄付、子どもたちも次々 (2019/10/9 11:00)


静岡新聞
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病気などで髪の毛を失った子どもが使う医療用ウィッグ(かつら)を作るために、髪を寄付する活動「ヘアドネーション」が小学生など子どもたちの間でも広がっている。メディアやSNSの影響により子育て中の母親に浸透し、子どもも興味を持つようになったとみられる。夏休みの自由研究や作文で発表する事例も増えているようだ。
 富士宮市の小学5年赤池若奈さん(10)は8月下旬、市内の美容室で腰まで伸ばした髪を約35センチカットした。久しぶりのショートヘアに「軽くなって、さっぱりした」と笑顔を見せた。
 赤池さんはネット記事でヘアドネーションを知った母節子さん(42)の勧めで、7歳から髪を伸ばし始めた。次第に取り組みの趣旨が理解できるようになり、「良い状態で寄付したいと思い、手入れを頑張った」。美容室で写真も撮り、夏休みの自由研究として提出した。「クラスのみんなにもヘアドネーションを知ってもらいたい」と声を弾ませた。
 赤池さんが髪を寄付した医療用ウィッグメーカー「グローウィング」(大阪市)のプロジェクト「つな髪」の担当者は「年々、子どもからの関心や興味が高まっている」と指摘する。同社はその流れを受け、今夏初めて親子向けイベントを開催。参加者はウィッグができるまでの工程を学び、髪の仕分け作業を体験した。自由研究のテーマにしたいという声も多く、自由に引用できる写真素材をホームページに期間限定で掲載した。
 国内で先駆けて寄付を受け付けてきたNPO法人ジャパン・ヘアドネーション&チャリティー(JHD&C、大阪市)でも子どもの寄付は増加傾向。2018年3月の調査で10代以下の寄付は全体の約25%だったが、現在は4割を超えるという。渡辺貴一代表理事(48)は「当初は20代の女性がメーンだった協力者が、30~40代の母親に広がり、子どもも参加するようになったのでは」と分析し、「チャリティーを特別なことでなく、身近に感じる子どもが増えればうれしい」と歓迎する。

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