公明結党55年 社会保障重視で「原点回帰」


産経ニュース
------------------------------------------------------------------------------------------------
公明党は17日、昭和39年の結党から55年を迎えた。「福祉国家の実現」を綱領に掲げる同党は、安倍晋三政権の看板政策の全世代型社会保障をめぐり、国会議員と地方議員の約3千人が幼児教育・保育の無償化の実態調査を進めているほか、18日から年金や医療、介護に関する党内議論を始め、政府への提言をまとめる。党勢拡大という根源的課題を見据え、55年の節目を機に「原点回帰」の姿勢を打ち出している。

 公明党は、創立者の池田大作・創価学会名誉会長が提唱した「大衆とともに」の立党精神で国民目線を重視する。特に社会保障は結党時からの重要政策だ。

 山口那津男代表は15日の党会合で「当時まだ優先順位の低かった福祉や教育などの諸課題に挑み、実績を重ねてきた。今そうした政策課題は政治の主流になっている」と強調した。

 10月からの幼児教育・保育の無償化をめぐり、今月11日から12月20日まで行う実態調査も、その一環だ。

 政府は10月以降、保育の質の向上など合理的理由のない「便乗値上げ」とみられる事例を明らかにした。このため、公明党所属の国会議員と地方議員が1人10件をノルマに利用者と事業所にアンケートを行い、保育料の変化や政府に期待する政策などを聴く。来年度以降の国や自治体の予算に反映することを目指す。

実態調査は現場のニーズをすくい上げる党発足以来の政治手法だ。斉藤鉄夫幹事長は今回の調査について次期衆院選を念頭に「政策作りの核になる」と力を込める。支持者の高齢化が進み、若年層の取り込みは喫緊の課題でもある。

 首相官邸主導で全世代型社会保障の議論が進む中、党としてどこまで独自色を出せるかのせめぎ合いもある。

 年金改革ではパートなどの短時間労働者への厚生年金の適用拡大が焦点だ。政府は加入条件としている企業規模の要件を現在の「従業員501人以上」から大幅に引き下げる方針で、労使折半で保険料負担が増す中小企業は反発している。

 与党への説明に先駆けて「50人超」「20人超」といった企業規模の要件が報道され、石田祝(のり)稔(とし)政調会長は13日の記者会見で「社会保障を進めようという私たちに何も知らされていない。(報道は)決定事項ではない」と不快感を示した。

 18日に始まる党内議論は紛糾も予想される。党幹部は「『全世代型』の名前こそ官邸発だが、政策の中身を長年訴えてきたのは公明党だ」と語り、議論をリードする姿勢を強調した。(清宮真一)
------------------------------------------------------------------------------------------------

コメント