gooニュース様
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春日井市内の保育園に匿名で自作のドングリのおもちゃを寄付し続け、「ドングリおじさん」と親しまれてきた沢越健さん(86)=同市八田町八=が、今年で活動を終える。子どもたちに喜んでもらいたい一心で続けてきたが、年齢を重ねる中で体力的に厳しくなり、決断したという。
 沢越さんがドングリのおもちゃの寄付を始めたのは四年前。近くの公園を散歩中、道端に転がっているドングリを見て「もったいない」と感じ、何か有効活用できないだろうかと考えたのがきっかけだった。
 初めのうちは自宅近くの保育園数カ所を自転車で回り、ドングリで作ったコマなどを贈っていたが、「毎年同じものでは芸がない」とドングリ工作を一から勉強。こけしやリス、チョウなど種類を年々増やした。また、「せっかく作るんだったら市内すべての子どもたちに届けよう」と考え、二年ほど前からは市保育課を通じて、市立の全二十九保育園に届けてきた。
 ドングリのおもちゃは、毎年九月中旬から十月いっぱいをかけて製作する。ドングリは主に同市朝宮町の朝宮公園で拾ってきたものを使用し、冷凍庫で四日間寝かせた後、一つ一つドリルで穴を開け、つまようじを刺して二個をつなぎ合わせる。一日の製作数は三十〜四十個ほどという。
 市保育課の担当者は「ドングリのおもちゃは園児たちに大変喜ばれ、匿名で活動してきた沢越さんは親しみを込めて『ドングリおじさん』と呼ばれていた。今年で活動を終えるのは残念でならない」と話す。
 沢越さんは、幼稚園から送られてきたお礼の手紙や写真を見ながら、「感謝されるために続けてきたわけではないが、子どもたちが喜んでくれるのはやっぱりうれしい」と顔をほころばせ、「誰か手伝ってくれる人がいれば、本当は続けていきたいんですよ」と活動への未練も口にした。
 (小林大晃)
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