多摩地域各市の公立保育園 給食費負担に大きな差


東京新聞
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 十月からの幼児教育・保育の無償化の対象にならなかった給食費(主食費と副食費)の利用者負担額に、多摩地域の各市の公立保育園の間で大きな差が出ている。武蔵野と小金井の両市はゼロだが、町田市は月額六千二百円。負担の重い地域では「もっと子育てに予算を振り向けてほしい」という声が上がる。 (松村裕子)

 八王子や府中など十三市は、パンやご飯などの主食費の補助を十月以降も継続し、主食費の利用者負担はゼロのままにする一方、おかずやおやつなどの副食費は利用者の負担とし、基準として国が示す月額四千五百円を徴収する。以前は、保育料に含めて副食費を徴収していた。

 武蔵野市は「給食費も保育料の一部」と考え、市の負担で副食費の利用者負担もゼロに。小金井市も同様に負担を求めない。立川市は副食費四千五百円のうち三千五百円を補助することで、給食費の利用者負担を千円に抑えた。

 多摩市は十月以降、主食費も利用者に負担を求め、副食費との合計で六千円を徴収する。阿部裕行市長は「給食費より待機児童対策や保育士の処遇改善に投資したい」と話す。当初、七千五百円にしようとした稲城市も、「高すぎる」と反発の声が上がり、六千円にした。担当者は「公立に入れず私立に通う子もいる。公平性の観点から私立も合わせやすい額にした」と理解を求める。

 町田市は、主食費の利用者負担を含めた給食費として、多摩地域の市では最高の月額六千二百円を徴収する。石阪丈一市長は理由として、厳しい財政状況を挙げた。

 事務量を減らすため、同市内の私立保育園は、切りのよい六千円を徴収するケースが多いようだ。私立保育園に子どもが通うパートの女性(40)のように、「これまでの保育料よりは安い」と喜ぶ人もいるが、ある私立の保育園長は「町田が最も高いと親が知らないだけ。市はハード整備より子どもへと、お金の使い道を変えてほしい」と求める。

 そんな中、武蔵村山市のある私立保育園は独自に給食費をゼロにした。市の公立保育園は四千五百円を徴収するが、担当者は「無償化なのに給食費がかかると驚く親が多かったから」と説明した。「子どもが安心して通え、親が安心して働けるようにしたい」と話す。
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