高知新聞様
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自閉症の子どもの特性や向き合い方を学ぶプログラム「アーリーバードプラス」を高知県吾川郡仁淀川町の親や保育士、小学校教諭ら11人が受講している。仁淀川町教育委員会が支援する取り組みで、ある母親は「子どもの行動に理由があると分かって対応を変えたら、かんしゃくが減った」と学びの効果を実感。「支援があって助かった」と喜んでいる。
仁淀川町役場の一室。「店のレジで金額を伝えられても、支払う必要性が分からない」「自分で決めたことが予定通りに進まないと混乱する」―。そんな子どもの行動を打ち明ける親に、久武夕希子さん(63)が柔らかく語りかけた。「見える課題は氷山の一角。その裏にどんな考え方や特性があるのか分析して、対応を考えましょう」
久武さんは「アーリーバードプラス」の実施資格を取得した団体「TOMO(トモ)はうす」代表で、発達障害児・者や家族らを支援している。「アーリーバードプラス」は英国自閉症協会が、4~9歳前後の子がいる家族や支援者を対象に開発したプログラムで、国内でも実施資格があるのは東京の診療所と、「TOMOはうす」のみだ。
仁淀川町教育委員会は2019年度、町内の自閉症や、その可能性がある園児や児童への支援を強化しようと県内で初めてプログラムを事業化。希望者の受講費1万円を仁淀川町教育委員会が持ち、教材費4千円のみで受けられるようにした。
2019年10月から、親ら11人が計8回の講座で行動分析や支援方法などを学んでおり、「TOMOはうす」メンバーの家庭訪問も。ことし3月にはフォローアップの相談や参加者交流会を予定している。
6歳の息子に自閉症の兆候があるという女性(34)は「学びは目からうろこ。前は時間がかかって大変だった保育園の準備も驚くほどスムーズになった」。講座で親同士の交流が生まれ、孤立感の解消や情報共有にもつながったと喜ぶ。
竹本雅浩教育長は「家族の負担を減らし、少しでも将来への可能性を見いだせれば」と期待。2020年度も事業実施を検討しているという。
久武さんは「幼い頃から親が子どもの特性を理解し、受け入れられるような手厚い支援が必要。こうした取り組みが増えてほしい」と話している。 (森田千尋)
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