学童再開へ 事業者の思い



NHKNEWSWEB
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新型コロナウイルスの影響による臨時休校が続くなか、札幌市では今月7日から放課後児童クラブが子どもの受け入れを再開しました。
一方で、民間の事業者の中には再開を遅らせている学童保育施設もあります。
保護者からの期待と事業者としての責任。
2週間の受け入れ休止を経て、12日から受け入れを再開する事業者を取材しました。

【ゲストハウスに併設された学童保育施設】
札幌市中心部にあるゲストハウス「雪結(yuyu)」の中には、現在35人が利用する学童保育施設があります。
子どものうちから海外を身近に感じられるようにと、多くの外国人旅行者が利用するこの場所につくられました。
施設は臨時休校が決まった先月27日から子どもの受け入れを休止しています。
学童保育を運営するNPO法人EーLINKの代表理事・日向洋喜さんは「学校が休みの時こそ受け入れをして欲しいという声もありましたが、子どもたちの安全と安心を考えた時に、万全の態勢を整えるには2週間必要だと考えました」と話しています。
【休止期間にはじめたオンライン授業】
受け入れ休止期間、日向さんは自宅にいることもたちのために新たな取り組みを始めました。
オンラインの出前授業です。
1コマ40分の授業で、普段学校では学ばないようなユニークな授業を無料で受けることができます。
きっかけは子どもを育てながら働く母親の「保護者の負担を少しでも減らしたい」という思いでした。
この声を上げた女性を中心に、日向さんたちが協力して今月2日からオンライン授業を始めました。
現在、受講者は予想を大幅に上回る1500人を超えて、今月26日まで授業を延長することになりました。
日向さんは「この2週間、子どもたちのために何かできることをしたいと思っているなか仲間と巡り会い、多くの協力のもと授業を配信できていることをありがたく思っています」と振り返ります。
【再開を前に心配は子どもの心】
施設では、細かい換気や室内の消毒。
そして出入りする人の手洗いとアルコール消毒の徹底など、対策を講じました。
ゲストハウスを運営する合同会社Staylinkの共同代表・柴田涼平さんは「対策の内容を伝えながら、相互理解のもとで子どもたちの預かりを再開したい。お互いに協力しながら子どもたちを見守りたい」と話しています。
一方、学童保育施設の代表の日向さんは、再開を前に利用する家族にメッセージを送りました。
その結びには「全力で子どもたちと遊び倒していきたいと思います!」と書かれていました。
日向さんは「新型コロナウイルスの影響で突然、日常だった学校や友人との時間がなくなってしまった。少しずつ戻せるところから戻していって、子どもたちの気持ちが和らぐようにしっかりとケアしていきたい」と話していました。
この学童保育施設は12日から再開しますが、当面は▼既に会員となっている人のみ、▼予約制で、▼必要な時間に限った「スポット利用」を前提にしているということです。
その上で、新型コロナウイルスが落ち着いたあと、日向さんと柴田さんはこの場所を当初から目指していた地域の子ども達にとって世界を知る玄関のような場所に改めて育てていきたいと話していました。

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