障害児らの放課後デイサービス 朝から開所で対応


神戸新聞NEXT
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新型コロナウイルスの感染拡大を受けた小中高校の休校が、兵庫県内でも明石市など5市町を除き、春休みまで延長された。障害がある児童・生徒が通う特別支援学校や小中学校の特別支援学級も休みが続く中、「放課後等デイサービス事業所」が開始を朝に前倒しして児童らを受け入れている。大わらわで対応するスタッフらは「急な環境の変化に戸惑う子どももおり、ストレスが心配」と細心の気配りを続けている。

 県内の特別支援学校は3月2、3日から、明石、小野市の2校を除く45校が休校。特別支援学級を置く小中学校も小野市を除き一斉休校が始まった。12日からは小野市の小中学校と特別支援学校も休校になった。

 障害児の学童保育とも呼ばれる放課後等デイサービス事業所。神戸市内のマンション1階にある小学生対象の事業所は、平日は午後3時半からだが、休校に伴い午前10時から受け入れる。知的や発達障害などがある子どもたちで、理事長の女性は「単に預かるだけでなく、子ども一人ひとりの個性に合わせた対応が必要」と強調する。

 衝動的な行動があったり、判断が苦手だったりして、家に一人で残せない子も多い。安倍晋三首相が全国の学校に休校を要請した2月27日以降、仕事を休めないという保護者から要望が相次ぎ、朝からの開所を決めた。通常の定員は1日当たり10人だが、現在は12~13人を受け入れている。

 スタッフの人繰りに苦心しつつ、感染予防にも神経をとがらせる。床やおもちゃの消毒、検温、手洗い、1時間ごとの換気…。理事長は「子どもたちや保護者のために乗り切りたいが、あるべき姿ではない。運動不足や学習面も心配。休校が終わった後の生活にも影響しないか」と懸念する。

 市内の他の事業所でも「生活リズムが急に変わり、子どもの機嫌が悪い」という報告や、スタッフの負担増に不安の声が上がる。

 一方、小・中・高等部の24人が過ごす明石市立明石養護学校は、県内の特別支援学校で唯一休校せず、給食も提供する。同市教育委員会の植垣文夫・学校教育課長は「重度で、気管切開や胃ろうの子もいる。共働きもあり、休校すると子どもの居場所の確保が難しい」と理由を説明する。

 感染予防のため、学校には消毒液やマスクを提供。校内では集団活動を避けて少人数で過ごしたり、換気をまめにしたりしているという。同市では16日、小中学校の再開とともに、各校の特別支援学級も再開した。(中島摩子)

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