臨時休校で県内保育綱渡り 共働き世帯の支え、感染予防に苦心


山形新聞
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 新型コロナウイルスの影響で学校が臨時休校となる一方、乳幼児らを預かる保育施設は共働き世帯を支えようと開園を続けている。児童生徒と比べ幼い子は自己管理が難しく、食事などの世話でも濃厚接触は避けられない。職員らは感染予防に神経をとがらせるが、マスクや消毒液の在庫不足といった不安も抱えている。

 「玄関先や各部屋に消毒液を置き、手指の消毒を徹底している」「室内は換気し、送迎の保護者にはマスク着用を呼び掛けている」―。多くの施設で見られる対応だ。ただ消毒液やマスクの確保に関しては切実な声が上がっている。

 園児90人が在籍する東根市の神町保育所。保護者による送り迎えや訪問者の応対を玄関先に限定する“水際対策”を講じている。鈴木光子所長は「消毒液は在庫のみで、(感染拡大や品不足が)どこまで続くか不安。災害時用の備蓄が若干あり、使わざるを得ないかもしれない」と話す。マスクが手に入らず、保護者が手作りしたマスクを着けて登園する園児もいる。

 山形市のつくも保育園(志鎌崇浩園長、144人)では、マスクや消毒液は現段階で間に合っているが、業者の在庫が不足し、追加購入できない状況だ。志鎌園長は「職員には自宅でストックしていたものを優先的に使ってもらっている。既に購入していたものがなくなる前に終息してほしい」と不安を口にする。また各家庭での検温で37.5度以上あれば登園を控えるよう要請。納品や設備点検で訪れる業者らにも、玄関での検温や手指消毒を求める徹底ぶりだ。

 人が集まる機会を減らす取り組みも。南陽市の宮内双葉保育園(斎藤彰助園長、265人)では、新年度入園者説明会の規模を縮小。内容も保育士による説明だけにし短縮を図る。28日に予定している満了式(卒園式)の進め方も早急に詰める方針だ。斎藤園長は「保育園側の対応に関し、国から統一的な基準を早く示してほしい」と訴える。

 寒河江市子育て推進課は、消毒液の不足に関し「休校した小中学校に配備予定だった分を充てる」と説明する。市立なか保育所に2歳の長男が通う同市寒河江、会社員高野陽平さん(31)は「夫婦共働きなので保育所が頼り。万が一感染者が出ると預けられなくなってしまう」と、終息を祈るように心情を語った。

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