<NPOの杜>工夫重ね子ども見守る 宮城県学童保育連絡協議会


河北新報
------------------------------------------------------------------------------------------------
新型コロナウイルス感染症の影響による今春の小中高校、特別支援学校の全国一斉臨時休校。突然の臨時休校により対応に追われた学校関係者や保護者、給食食材提供の産地…。あらゆる混乱の中、子どもたちの受け皿として運営を続けたのは、学童保育でした。現状について宮城県学童保育連絡協議会に取材しました。
 学童保育は、保護者が日中不在にしている小学生が対象。春休みや夏休みなどの長期休業期間以外は、学校の授業が終了する時間に合わせ午後から開所しています。しかし3月の全国一斉臨時休校要請で急きょ始まった朝からの一日保育が、春休みを挟んで3カ月続いた地域が多くありました。
 学童保育の現場ではすぐに感染防止対策としてマスク着用、手洗いの励行、ドアノブや電気のスイッチ、おもちゃなどの消毒のほか、ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)の確保のためにテーブルの配置を工夫しました。
 しかし「3密」を避けることのできない広さの施設が多く、指導員たちを悩ませました。さらにコロナ禍前から続く人員不足は、開所時間の延長で勤務体制が大きく変わった指導員の負担感を増大させました。
 休業やテレワークにより学童保育の利用を控えた家庭が多くある一方、職業上、学童保育を利用せざるを得ない家庭もいました。指導員たちは、子どもとその家族の体調に気を使いました。
 また子どもの心の状態も慎重に見守ることも指導員としての役割。コロナ禍のニュースなどから伝わる社会の緊張感に対し、落ち着きがなくなったり大きな声を発したりする子どもが多く見受けられるようになったそうです。

 いつまで続くのか分からないコロナ禍。指導員たちにとって一番懸念されることは子どもたちの心身の成長です。友達と一緒に遊んで人間関係を築き、感受性を育む場である学童保育の場で「離れて遊んでね」と言わなくてはいけない現状に指導員たちは、歯がゆさを感じています。
 それでも、感染防止対策を取りながらできる遊びを子どもたちに提供し、見守り続けます。
 今回の臨時休校を機に、学童保育の必要性が再認識されたのは言うまでもありません。学童保育は生活と遊びの空間であり、子どもたちの成長を見守る場所でもあります。その現場には、専門性を身に付けた指導員が欠かせないことや、自由な触れ合いが必要であることを忘れてはなりません。
(認定NPO法人杜の伝言板ゆるる 丹野伶菜)


------------------------------------------------------------------------------------------------

コメント