絵本の楽しさ 震災被災地に/青森中央高生ら、岩手で読み聞かせ6年


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東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県で、青森中央高校の生徒らが2015年から、絵本の読み聞かせを通じた交流を続けている。6度目となる今年は12日、同県沿岸部の認定こども園を訪問した。新型コロナウイルスの影響で規模を小さくせざるを得なかったものの、生徒らは子どもたちに笑顔を届けられた充実感をかみしめた。

 同校や青森南高、青森山田高の生徒を中心に、サポート役の卒業生、青森大の学生ら20人余りが参加。生徒らが声の調子を工夫しながら絵本を読むと、園児たちは驚いたり笑ったり、物語にくぎ付けになった。

 活動は感染対策として体温測定や消毒などを行い、時間は例年の約半分に短縮した。それでも「楽しすぎました」と石田亜美香さん(青森中央高3年)。園にある周辺地域に津波が到達したことを示す石碑について触れ「碑を見ながら通っている子どもたちが、楽しく笑ってくれたことがうれしい」と笑顔を見せた。

 生徒たちは前日の11日に同県大槌町を訪れ、大槌高の生徒から津波の経験を聞きながら町内を巡った。小田桐寿飛さん(同1年)は「津波が来た場所、復興の様子を聞いて考えさせられた。自分の学校でも伝えていけたら」と語った。

 活動は青森中央高で「読み聞かせ隊」を結成した翌年にスタート。同校教頭だった当時から活動をけん引する秋田敏博・青森大教授は「途絶えることなく活動できてよかった。経験を基に、これから何ができるか考えるのが生徒たちの仕事」と強調した。

 この園では震災から9年5カ月が過ぎボランティアらの来訪が減る中、新型コロナの影響でさらに受け入れが難しくなっているという。園の関係者は「これまで多くの人が絵本を読んでくれて癒やされた。交流を続けていきたい」と話した。


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