郷土の誇り「吉野の木」で新校舎 奈良・川上村で伐採見学会


産経新聞


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吉野林業発祥の地として知られる川上村が地元の吉野産材を使い、小中一貫の義務教育学校と保育園を併設した校舎・園舎を建てる計画を進めている。村は26日、村有林での伐採作業を村内の小中学校に通う児童・生徒らに公開。樹齢100年を超える吉野杉が大きな音を響かせながら豪快に倒されると、歓声と拍手がわき起こった。

 新校舎は3階、新園舎は2階建てで、一部を除き木造。木材の全てを吉野産材でまかなうといい、現時点では吉野杉1500本、吉野桧(ひのき)500本が使用される見込みだ。令和4年度に着工し、6年4月の開校を予定している。

 川上村は、東吉野村や黒滝村とその周辺を含む吉野林業地域で最古の歴史を持つ。伐採見学会は、吉野林業を確立した郷土の偉人、土倉(どくら)庄三郎が経営した高原地区の植林で行われた。

 この日見学したのは村民ら計約80人で、川上中学校の生徒10人と川上小学校の児童22人も参加。樹齢約110年の吉野杉2本が切り倒される様子を見学した。川上小6年の脇田誌菜さん(11)は「バキバキという音と迫力がすごかった。100年もここで整備されて大きく育った木なので、大切に使わなければ」と目を輝かせた。

 過疎化で村の人口は減っているが、15歳以下の子供の数は数年前から増加に転じている。栗山忠昭村長は「村の歴史と誇りを存分に感じながら、勉強や仲間づくりに励んでもらえる学び舎にしていく」と話した。


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