事故ゼロ登校見守り45年 福岡の小学校が県の最優秀賞「特筆すべき取り組み」


西日本新聞


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福岡県田川市奈良の大浦小(石橋格校長、140人)が、県の「学童交通安全運動」で41年連続となる最優秀賞を受賞した。連続受賞回数は県内トップで、2位は小森野小(久留米市)の8年連続。毎月3日間、専用の制服に身を包んだ6年生が通学路で旗を振るなどして、地域と共に下級生を見守る活動が高く評価された。

 大浦小は1975年、交通事故のない学校を目指そうと、全児童で「交通安全少年隊」を結成。女子は緑色、男子が青色の制服は「隊員としての自覚を持ってほしい」と、当時の母親たちが夕方、学校に集まって手作りしたのが始まりという。現在は、古くなれば学校が新しい制服を購入し、保管している。

 同小では、6年生になると田川署から交通ルールや誘導法などを学ぶ。月に3日間、指導班として登校時に校門前と団地の通学路に立って旗を振り、下級生の安全を守っている。6年生全員で通学路に立つ日もあり、PTAや住民もサポート役として見守り活動を続ける。

 主催する「交通事故をなくす県民運動本部」によると、「学校内外に交通安全の組織があり、具体的取り組みがあるか」など、五つの採点項目で評価するという。それぞれの項目には非公表の細目と、その採点基準があり、100点満点で順位を決める。同本部関係者は「大浦小の取り組みは特筆すべきもの。地域と一体で半世紀近く継続しており、“殿堂入り”させたいくらいだ」と激賞する。

 9日、同小で表彰式があり、6年生の代表3人に、賞状と旗、盾が贈呈された。松本妃奈さん(12)は「1年生の頃から6年生に見守られていたので、今度は自分も下級生を守ろうという気持ちになった」と前を向けば、吉田蒼輝さん(12)も「交通事故がないよう6年生みんなで頑張りたい」と意気込んでいる。石橋校長は「大浦小の良き伝統として引き継いでほしい」と願っていた。 (吉川文敬)


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