「先生お幸せに」指輪は折り紙、ブーケは風船 コロナで延期の結婚式 園児が手作り


沖縄タイムス


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 那覇市首里石嶺町の首里ライオンの子保育園(末広尚希園長)で24日、結婚披露宴が開かれた。新型コロナウイルスの影響で結婚式と披露宴を延期した同園の保育士、吉原愛香さん(27)と会社員の京亮さん(28)のために園児らが企画。ケーキや指輪、ブーケなど全て手作りだ。「おめでとう」。園児ら約80人の拍手が湧き、折り紙の紙吹雪が舞う中、愛香さんは「園児が祝ってくれて幸せです」と顔をほころばせた。

 吉原愛香さん(27)と、会社員の京亮さん(28)は6年間の交際後、昨年1月に籍を入れた。今年9月19日に結婚式と披露宴を予定。準備は順調に進み、招待状も作った。ドレスも予約済み。約300人の出席を見込み、席順も考えた。だが、そんなとき新型コロナウイルスが流行し始めた。「おじい、おばあも呼びたい」と考えていたら、式と披露宴を延期するしか選択肢はなくなっていた。

 末広尚希園長が5歳児クラスの園児と相談し、園での結婚披露宴を企画。紙吹雪やバラの形をした指輪は折り紙で、ブーケは風船でそれぞれ作り、特大ケーキは園の調理室で準備した。

 式では、牧師役の女子園児が「誰よりも大切にすることを誓いますか?」。「誓います」と2人が応じると、「ずっと仲良く幸せな生活を送れるよう祈りましょう」と続けた。

 次は司会役の男子園児が「玉城デニー知事からお祝いメッセージが届いています」。実は、園児が事前に「司会をしてほしい」と知事に招待状を送っていた。知事は仕事で「司会のお手伝いはできない」としながらも手紙が届いた。「かわいい笑顔に囲まれ、幸せに歩んで」と園児が代読した。

 ケーキ入刀やブーケトスもあり、本番さながら。この日、誕生日だった京亮さんは「緊張したけど、とてもいい思い出になりました」。司会を務めた前門晃太朗ちゃん(6)は練習通りに話せたといい、「楽しくできた」と笑顔を見せた。

 末広園長は「大成功だった。『コロナだからできない』ではなく、コロナだからアイデアを考え、工夫を凝らすことが大切だと改めて思いました」と話した。


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