「保育の受け皿」14万人分不足 内閣府が提示、年末に新計画


日本経済新聞


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政府は5日、待機児童の解消策を議論する「子ども・子育て会議」を都内で開いた。内閣府は全国の市町村に調査した結果、2024年度には14.1万人分の保育の受け皿が不足するとの推計を示した。政府は年末にまとめる待機児童解消に向けた新計画に反映する。

内閣府は全国の市町村から報告を受けた保育所などの需給計画を公表した。24年度までに新たに14.1万人分を整備する必要性があるという集計結果になった。

政府はすでに24年度末までに10万人超分の保育の受け皿を整備する方針を打ち出した。14.1万人分が不足するとの推計を踏まえ、財務、厚生労働両省を中心に21年度予算編成で調整に入る。

年末までに現行の「子育て安心プラン」に続く21年度以降の新方針をまとめる。追加財源を確保するため、医療や介護など他の社会保障費の削減や企業による拠出金の増額が検討テーマとなる。

厚労省は9月、希望しても保育所などに入れない待機児童が4月1日時点で1万2439人だったと発表した。3年連続で減少し過去最少を更新したものの、政府が掲げた「20年度末に待機児童ゼロ」との目標達成は困難な情勢となっている。

菅義偉首相は9月の就任後の記者会見で「保育サービスを拡充し、問題に終止符を打ちたい」と表明した。待機児童ゼロ実現への対策を急ぐ。

待機児童問題は安倍前政権から引き継ぐ形になる。安倍前政権は13年度からの5年間で待機児童を解消する目標について20年度末までに先送りしていた。

全国で保育所を増やす一方で、女性の就業率上昇で保育の需要は拡大している。都心部を中心に保育所の増設は急務だが人口が減る地方で供給過剰になる恐れもある。保育士の人手不足や定着も課題となる。


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