里親家庭・施設出身者に推薦枠 21年度入試から福岡・筑紫女学園大


西日本新聞


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筑紫女学園大(福岡県太宰府市)は、2021年度入試から、児童養護施設や里親家庭で暮らす子どもを対象とする学校推薦型選抜(推薦入試から改称)を創設する。同大によると、養護施設などの子どもに限った入試枠は、九州の大学では初めてで全国的にも珍しい。

 21年度は人間科学部社会福祉コースを対象とし、その後全学に広げていく方針。同学部の大西良准教授(社会福祉学)によると、施設などで暮らす子どもたちは保育所や介護施設などの福祉職に就くケースが目立っており「大学進学で専門性を高めてほしい」とする。試験は12月に実施され、定員は若干名。書類審査と読解力を問う試験、面接で合否を判定する。

 厚生労働省によると、18年度に高校を卒業した児童養護施設の子どもの大学進学率は14・0%、里親家庭の子どもは27・2%。いずれも上昇傾向にあるものの、全高卒者平均(51・9%)より大幅に低く、進学のハードルは高い。大西准教授は「周囲に進学する人が少ない上、施設から巣立つ時期に経済的理由で就職を選ぶなど、進学を諦めてしまう子どもが多い」と指摘する。

 国の高等教育無償化に伴い、本年度から養護施設や里親家庭で暮らす子どもたちは学費の減免や給付型の奨学金が受けられる。同大では、合格者にこうした制度を活用してもらいながら、入学前から個別相談を行い、資格取得を支援するなど、生活面のサポートにも力を入れる。同大は「入学後も施設側と連携し、学生のキャリア形成を援助していきたい」としている。 (金沢皓介)


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