神戸新聞NEXT様
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カンボジアに日本式保育の良さを広めようと、神戸市須磨区出身の保育士高橋春香さん(32)が11月、首都プノンペンに保育園を開所した。渡航して7年目、夢の実現へ大きな一歩を踏み出した。遊びながら学ぶプログラムを提供し、子どもたちが楽しめる環境づくりを進めている。「カンボジアの幼児教育のモデルケースになれるよう頑張りたい」と意気込む。(小尾絵生)
6歳の時に阪神・淡路大震災が発生。母が自宅で作ったおにぎりを避難所にいる人たちに配る光景が脳裏に刻まれた。「人のために働ける人になりたいと思い続けてきた」
初めてカンボジアを訪れたのは、就職して間もない20歳の時。ツアーで孤児院を訪れた。豪華な昼食が出されるツアー客の隣で、施設の子どもたちがパンを分け合う姿に「言葉にできない違和感」を抱いた。帰国後もカンボジアの子どもたちのことが気になり、度々訪れるようになった。
兵庫県内の児童養護施設などで計4年働いた後、2014年からカンボジアで暮らし始めた。アルバイトなどをしながら、日本人が建てた幼稚園のある村に通い、ボランティアで折り紙や歌を教えた。
小学校の教員が兼任して文字などを教える「プレスクール」はあったが、日本の幼稚園や保育園のような施設は現地には当時ほとんどなかった。高橋さんは「遊びながら学べる、日本式の保育を紹介したい」と考えるようになった。
昨年は日本人が経営する幼小中一貫校の幼稚園で担任を務め、現地の子どもを相手に日本式の保育を実践し、手応えをつかんだ。
高橋さんの教育方針に共感した日本人女性が出資し、保育園を開設。企業のオフィスだった2階建ての建物を改装し、遊戯室や年齢別の教室、園庭、給食室などを備える。1~6歳児を50人程度預かることができる。
高橋さんは、保育プログラムの構成や園の設備を決めるなど、運営の中心的な役割を任せられている。カンボジア人スタッフと共に、歌や外遊び、絵本の読み聞かせなどを取り入れた保育に取り組む。
「カンボジアでも働く女性が増えており、需要は増すはず。子どもたちが行きたくなるような場所にしたい」と話した。
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