コロナ禍の児童・生徒を給食で元気に 千葉・東庄町、勝浦市で取り組み


産経新聞


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千葉県で、新型コロナウイルスで行事や部活動などが中止になり、意気消沈する児童・生徒を一風変わった給食で励ます取り組みが相次いで行われた。

 北東部の東庄町では町立認定こども園「こじゅりんこども園」、東庄小学校、同中学校の児童・生徒ら約1100人に、町産や県産の食材を使った「日本一の給食」が提供されている。3日間限定で、献立は当日まで秘密。10日にはA5ランクの和牛を使った給食が振る舞われた。

 この日の献立は、町産の霜降り和牛を使った「牛肉ゴロゴロビーフシチュー」と、町産のコシヒカリのご飯やイチゴなど。土産として、笹川なずな工房のマフィン付きだった。同施設と関連が深い障害者施設「北総育成園」では昨年3月、大規模なクラスター(感染者集団)が発生しており、応援する意味がある。

 4日も振る舞われ、本県で水揚げした伊勢えびのグラタンなどが提供された。19日も予定されている。

 「日本一の給食」は、町在住の美容化粧品会社「ボーテデラボ」(香取市)の渡辺政彦社長(43)の全額寄付で実現。渡辺社長は「コロナでつらい思いをしている町の子供たちが『日本一の給食』で笑顔になり、思い出としてくれれば」と話している。

 一方、南東部の勝浦市でも9日、外房の海で取れたサザエを使った「サザエカレー」が初めて提供され、児童・生徒らが楽しい給食の時間を過ごした。

 自然に恵まれた同市ではこれまでもカツオやシイラのフライ、キンメダイを使った金目汁、特産の豚肉「なるかポーク」を使った料理などが出されてきた。市は「新型コロナの影響で行事などが中止となっており、学校生活の思い出の一つになるように、という願いを込めた」としている。市内の全ての保育所やこども園、小中学校で1200食分が提供された。

 勝浦小6年の鈴木日陽(ひなた)くんは、「普通に食べるサザエもおいしいけど、カレーに入っているサザエもとてもおいしいです」。片倉晶美(あけみ)さんは、「家でもサザエはたまに食べるけれど、カレーで食べるのは初めてだった。カレーとサザエの相性がすごくよかったです」と話した。

 同小の原田斉(ひとし)校長(59)は、「地産地消の取り組みとして、給食に地元の食材を取り入れることはいい試み。地域の食文化に子供たちが興味を持つきっかけとなってほしい」と話した。


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