自民若手議員が「こども庁」創設を提言 厚労省を核に内閣府、法務省など業務統合


福祉新聞


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自民党の若手議員による子ども行政の在り方勉強会は3月16日、子ども施策を一元的に所管する「こども庁」の創設を求める緊急提言案を発表した。厚生労働省の子ども家庭局を核とし内閣府や法務省などの一部を統合することで、児童虐待など課題の解消を目指す。3月内にも政府に提出する。

 同勉強会は自見英子はなこ・前厚労政務官ら30人が呼び掛け人となり、2月上旬に立ち上がった。これまで週1回ペースで会合を開き、有識者らからヒアリングを実施。当初は子ども家庭庁としていたが、虐待を受けた当事者から「家庭は自分を救ってくれる場所ではなかった。子ども第一に考えてほしい」という意見を踏まえ、こども庁にしたという。

 提言によると、こども庁は現在の厚労省の子ども家庭局を中心に、内閣府の子ども子育て本部と男女共同参画局、文部科学省の幼児教育課のほか、法務省や警察庁の子ども関連部署を統合するイメージ。虐待や自殺、いじめ、貧困などの課題を一元的に把握し、縦割り行政の弊害を解決する。また、強い権限を持つ大臣も置き、子ども施策の総合調整機能を強化する。

 こども庁が実現すれば、児童養護施設や乳児院、母子生活支援施設、婦人保護施設を所管することになりそうだ。一方、小中学校や高校、大学などを所管する文科省の部署は含まれていない。

 提言はこのほか、子どもの命を守る体制の強化も掲げた。子どものSOSを全国どこでも受け止めるワンストップ相談体制を確立し、子どもの意見表明も促進。児童養護関係者への支援も明記されている。

 さらに横断的に子どもの死亡を検証する仕組み(チャイルド・デス・レビュー)も導入。母子保健については窓口を一元化した上で、全ての妊産婦や子どもに寄り添う支援を展開する。保育所については、認定こども園や幼稚園など設置形態の違いにかかわらず、質の担保を明記。保育士の処遇改善と社会的地位の向上を目指す。

 このほか、子どもと接する仕事への就職を希望する人に性犯罪歴がないことを証明する日本版DBSの創設や、ひとり親や保護者が病気の際などを緊急的に支援できる機能の強化なども盛り込まれた。

 今後勉強会は一部文言を修正の上、政府に対して提言を出し、次期衆院選の公約に入れたい考え。さらに夏までにはこども庁創設に向けたロードマップを作るという。

 会合後の記者会見で、山田太郎・参院議員は「子どもの権利という事を意識しながら、自分事として捉える省庁であるべき」と意気込みを語った。


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