幼児の感染予防にディスタンスマット考案 大分商高、研究発表会でダブル受賞


大分合同新聞


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大分市の大分商業高家庭クラブは新型コロナウイルス感染予防のため、幼児が距離を保って座る「ディスタンスマット」(縦0・8メートル、横2・4メートル)を考案した。県高校家庭クラブ研究発表大会(昨年11月)では最優秀賞と生徒会長賞をダブル受賞した。4枚を手作りし、保育体験実習で交流がある近くの東舞鶴保育園に贈った。
 家庭クラブは家庭科の授業を受ける生徒全員がメンバー。代表として2、3年の委員8人が研究発表に取り組んだ。
 コロナ禍で月1回の実習が中止となり、「保育園のために何かできないか」と話し合った。園を訪れ、酒井摩実園長から「絵本の読み聞かせ時に子どもたちの密が解消できない」と困り事を聞いた。夏休みから制作を始め、改良を重ねた。

ディスタンスマット制作で最優秀賞、生徒会賞を受賞した大分商業高の8人=大分市の大分商業高

 テーマは「子どもたちを笑顔に~コロナに打ち勝て!ディスタンスマット制作」。果物の絵柄で目印を付け、園児らが楽しみながら適度な間隔で座れるようにした。生地は生成り色の綿素材にし、バナナ、メロンなどの絵柄をフェルトでそれぞれ付けた。
 発表大会には県内5地区の代表16校が参加。同校は2009年以来の最優秀賞と、参加した生徒約50人による投票で生徒会長賞に選ばれた。全国大会(7月・徳島県)の出場権も得た。
 1月末に寄贈した。読み聞かせ時は1枚につき、3歳以上の6人が絵柄を避けて座る。マットを広げるだけで集合させられる手軽さもあり、保育士の負担も減ったという。酒井園長は「子どもは互いに体を寄せたがる。絵柄を見るだけで座る場所が分かる発想がいい」と喜ぶ。
 今月卒業した厚田千尋さん(18)は「子どもや保育士さんを助けることができて、頑張って良かった」。幸あおばさん(18)は「地域の関わりや人とのつながりの大切さを学んだ」と笑顔を見せた。


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