保護数が急増、パンク状態 兵庫県が虐待児の施設を川西市に整備へ


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兵庫県は、虐待を受けるなどした子どもを一時的に預かる「一時保護所」を2023年度を目指し、同県川西市内に新設する。一時保護所は現在、児童相談所(児相)の「県中央こども家庭センター」(同県明石市)に集約しているが、一時保護数が急増。“パンク状態”が続いており、一時保護件数が多い阪神地域で新施設を整備することにした。(藤井伸哉)

 一時保護所では、親から虐待を受けたり、非行行為があったりした子どもたちが、家庭から離れて過ごす。同センター以外には、神戸市や明石市が運営する児相にある。

 県が管轄する地域(神戸、明石市以外)で19年度の一時保護数は1767人。15年度の934人に比べ、ほぼ倍増した。このうち乳児院や児童養護施設などの委託先に入ったケースは76・8%の1358人に上り、全国の44・6%(18年度)を大きく上回る。

 特に阪神地域を管轄する県の児相2カ所での一時保護委託が697人と、県全体の半数超を占める。そこで、川西こども家庭センターの旧施設を解体し、新施設を建てることにした。

 子どもを「家庭に戻す」といった児相の決定は、一時保護所が判断材料を提供する。委託先の利用増は決定の先送りにもつながるため、子どもの心身への負担が大きい。こうした問題の解消も期待される。

 新施設は3階建てで利用は原則個室とし、性的被害を受けた子どもら向けにユニットバスを設置するなど配慮を徹底する方針。学校に通えない子どもたちは現行、プリント学習が中心だが、新施設では個別の学習室を設けたり、指導員を増員したりして支援する。

 整備総額は3年間で約17億円。21年度は当初予算案に解体撤去や設計関連などの費用として2億2200万円を計上した。老朽化している中央こども家庭センターについては、一時保護所を含め、建て替えや移転の検討に入る。


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