「ラン活」“子ども目線”で 「自分のランドセル、どう思う?」小学生に聞いた


神戸新聞NEXT


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「最近『ラン活』を始めました。親目線ではなく、ランドセルを実際に使っている子どもの意見が聞きたいです」。神戸新聞の双方向型報道「スクープラボ」に3月、子どもが2022年春に小学生になるという保護者から取材依頼があった。入学に向け、ランドセルを選んで購入する「ラン活」。現役小学生らに「子ども目線のランドセル評」を聞いた。(金 慶順)

小学生に聞いた「自分のランドセル、どう思う?」

 ランドセル商戦は年々早まり、5月には注文を締め切る人気モデルもある。保護者のラン活は熱を帯び、店舗や展示会、会員制交流サイト(SNS)などで情報収集が盛んだ。だが、取材依頼した女性は「どのサイトも親目線で、子どもの意見は購入時のものだけ」と不満を記した。

 手がかりにしてもらおうと、保護者を通じて、新2年生から中学生までの子ども約10人に、数年間の使い心地を聞いてみた。

 まずは色。赤色、黒色以外も珍しくない時代だが、その色選び、後悔していませんか?

 エメラルドグリーンを選んだ小2女児は「学校に1人だけ。きれいだからずっと使いたい」と満足そうだ。6年間エンゼルピンクを使い通した中2女子も「特に不満はなかった」と振り返る。

 一方、ピンク色がほしかったが親の説得で赤色にしたという小5女児は、今では「赤でよかった。大人っぽいから」と心変わり。1年生のときはリボンやレースの付いたカバーをかぶせていたそうだ。

 学年が上がるほど荷物が増えることから、子どもたちにとって大きさ、軽さや機能性も大切だ。

 中1男子は自分のランドセルを「仕切りがあって容量も結構ある」と気に入っていた。A4判より一回り大きいファイルが入るものをうらやましがる声も多かった。もし新しくもらえるなら、小5女児は「たくさん荷物が入って軽いもの」。ボタンで外付けできるサイドケースに水筒を入れるという小3男児もいた。

 かぶせを留める底の金具は近年、自動で錠が掛かるオートロック式が増えているが、手動式を使う小3男児は「鍵を掛け忘れたまま走って荷物が飛び出したことがある」という。

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 取材を通じて感じたのは、取材した児童らはそれなりに自分のランドセルを気に入っているか、買い替えるほど困っていなかった。

 「友達と比べ合いをしたのは1年生の最初だけ」(小5女児)や「他人のランドセルは気にならない」(中3男子)との声もあり、ランドセル選びの基準はあくまでも自分。小4男児が「家族で一緒にいっぱい悩んで決めたから最後まで大事に使いたい」と話すように、ラン活そのものが愛着につながっているようだった。

■反射材や自動ロック…メーカーおすすめ

 日々進化するランドセルについて、大手ランドセルメーカー「セイバン」(たつの市)がおすすめする機能を聞いた。

 安全面からは、ランドセルの前後左右に仕込まれた反射材。学童保育や習い事で暗くなって帰宅する子どものため、360度どこからでも光って見える。

 また給食袋などを掛ける側面のフックは、車や自転車に引っかかって引きずられないよう、一定以上の力が加わると外れるように設計している。

 かぶせの留め金はオートロック式が増えているが、自動でなおかつ左右どちらに回しても開く錠前なら、右利きでも左利きでも使いやすい。

 同社によると、主なメーカーは近年、6年間使い続けても形がつぶれないようランドセルの側面や間口を補強しているという。同社は「子どもたちの安全性や快適さを思って品質を磨いているので、じっくり選んで6年間使ってもらえたら」と願っていた。


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