子どもも「疲れる時期」 新生活2カ月 福井の小児科医「予兆見逃さないで」




福井新聞
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新しい園や学校、クラスメートとの新生活が始まって約2カ月。「子どもたちに『精神的な疲れ』が見えてくる時期」と、福井県子育てマイスターで福井市のあすわクリニック小児科医、坂後恒久(さかじり・つねひさ)さん(70)は話す。「予兆を見逃さないためにも、問題解決のためにも、普段から親子の会話は欠かさないように」と呼びかける。

 坂後さんによると、気疲れが蓄積すると、登園や登校に多くのエネルギーが必要になる。その結果▽目覚めているのに起床しにくい▽(普段はできている)宿題や翌日の用意に手間取る▽食欲不振▽わがままを言う▽登校前日の夕方や夜に気分が落ち込む-などが見られる場合があるという。

 普段と異なる様子に気付いても「なぜ?」「どうして?」と問い詰めるのはNG。「子どもと一緒に考える姿勢が大事」(坂後さん)だからだ。

 話しやすい工夫の策として、目線が合わずに話せる自然な状況をつくるのも有効という。お勧めは「台所に並んで立つ」や「耳掃除」。スキンシップを図り、相づちを打ちながら子どもの話を聞く。詮索したり「ああしろこうしろ」と言ったりしないよう注意。

 園や学校への「行き渋り」の要因はさまざま。▽クラスメートとの仲▽勉強に付いていけない-が多いが、ほかにも▽体育、音楽が苦手▽先生との相性▽教室の騒音で勉強に集中できない(聴覚過敏)など。

 坂後さんはいろんな子がいて当たり前とした上で「『できる・できない』と『やる・やらない』は違う。『やらない』には子どもなりの訳があり、親が理由を聞いてやり一緒になって解決策を探る姿勢が大切。時には『逃げる』ことも必要だ」と話している。

 ■相談先に家族会も

 不登校などの悩みを持つ親らの家族会は県内各地で活動している。相談すれば会を支援するカウンセラーや医師のアドバイスも受けられるほか、家族会員の実体験に基づく助言も聞くことができる。

 各地の家族会の情報や県、市町などの相談窓口は県のホームページ「福井県ひきこもり・不登校支援情報サイト」で案内している。



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