効果的な絵本の読み聞かせは? 他人より母親 福井大学、金沢大学など脳の活動比較





福井新聞
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子どもに絵本を読み聞かせる際、母親が読んだ方が、他人が読んだ場合よりも、良好な反応を示し、脳が全体的に強く効率的に働くことが福井大学、金沢大学などの研究で分かった。読み聞かせが子どもの脳やさまざまな発達に与える影響を探るヒントになる成果という。

 両大などの共同研究グループによると、絵本の読み聞かせは子どもの言語能力や認知能力、社会性の発達を促す。視覚、聴覚の1次的な情報の処理をはじめ、ストーリーの理解や共感といった高次処理など、さまざまな認知処理が脳の複数の部位にまたがるネットワークで行われるという。


共同研究グループは、産学官連携のプロジェクトで開発した体に負担の小さい「幼児用脳磁計」を活用し、4~10歳の15人を対象に、母親と他人の読み聞かせを聞いている時の脳の活動を計測し比較、分析した。

 その結果、母親の読み聞かせの方が子どもの脳が全体的に強く、効率的につながっていた。また、子どもの表情を解析した結果、母親の読み聞かせ時に、より画面に集中し、ポジティブな表情を浮かべていたことが明らかになった。


研究論文は7月、国際学術誌「ニューロイメージ」オンライン版に掲載された。共同研究グループの高橋哲也・福井大学医学部客員准教授は「効果的な読み聞かせとは、どのようなものなのかを探る一歩になる」と意義を強調する。「今後は母親だけでなく、父親らほかの養育者や保育士、教員など家族以外の親しい大人の読み聞かせの効果も合わせて検証していく必要がある」と話している。

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