新型コロナ流行から約1年半 幼児教育現場の現状は?





タウンニュース
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 新型コロナの感染拡大から約1年半が経過した。流行1年目を経て、2年目の幼児教育現場はどのような対策を講じているのか。子どもたちの発育にどのような影響があったのか。横浜市幼稚園協会青葉支部の小泉議右支部長に聞いた。

―区内の幼児教育現場の感染症対策は?

 「区内の幼稚園では、昨年春の緊急事態宣言の際に県と市からいち早くマスクやアルコール消毒液が支給され、対策を行うことができました。現在は、こまめな換気で3密を防ぎつつ、アルコール消毒、職員のマスク着用必須など、基本的なことを徹底しています。その上で、1つの単元が長くならないようにしたり、食事の際に飛沫防止プレートを立てたりしている園もあり、各園工夫して対策に取り組んでいます」

―幼児が感染対策を行うのは難しいのでは

 「確かにマスクを長時間つけることで息苦しさを感じて外したがる子もいますが、熱中症にも気を付けながら、極力全員が着用するよう呼びかけています。子どもたちにマスク、手洗いうがい、アルコール消毒を繰り返し指導することで、感染予防を習慣化させることに努めています」

―コロナ禍で工夫して取り組んだことは

 「幼稚園協会の会議や講演会をリモート化するなど、オンラインでの連携が進みました。また、『行事の実施はどう判断しているか』、『万が一コロナが出た場合の対応は』といった各園の悩みを取り上げて情報共有を行い、解決策を話し合いました」

―子どもたちの発育に変化はありましたか

 「背骨が発達していない子、集中力が続かない子が増えている印象があります。昨年春の緊急事態宣言で幼稚園などが約2カ月休園になりました。お家で過ごしていると、リラックスして猫背になったり、机にしっかりと座って作業することが少なくなったりすると思います。幼児期の身体の成長スピードは速いため、短期間でも影響がでる可能性があります」

―自宅で過ごすことも多いですが、保護者ができることは何ですか

 「子どもと関わり、体を動かすことです。幼稚園や屋外での活動量まではいかなくとも、例えばでんぐり返しをしたり、横になった保護者の方の体をジャンプで飛び越える遊びもいいですね。バランスを取る遊びは平衡感覚を育むのにも役立ちます。おすすめできないのは、PCやスマートフォンだけを与えて一切体を動かさないことです。身体の発達のためにも、体を動かす遊びも取り入れましょう」

―コロナ禍で幼児教育に求められる役割は 

 「子どもたちが滞りなく小学校の就学に移行できるようにするのが幼児教育の役割。それはコロナ禍であっても変わりません。集団生活の中で友達を作る力、学校で授業を受けられる集中力など、幼児期に育てるべき大切な力を身に着けられるようにしていきます」


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