「外国にルーツある子ども」支えよう 宮城の教師らがネットワーク設立





河北新報
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 外国にルーツのある子どもの学びをサポートしようと、宮城県内の研究者や公立学校の教師らが今月、応援ネットワーク「おむすび」を発足させた。学校内外で日本語学習をサポートする支援者同士で課題や悩みを共有し、情報交換しながら適切な指導につなげる狙いだ。

 「外国にルーツのある子ども」は両親の一方か両方が外国出身者の子を指す。日本生まれで日本国籍を持つ子や二重国籍、外国生まれ・外国育ちで日本語が第1言語でない子なども含む。適切な日本語指導が受けられない場合、孤立したり勉強についていけなかったりするなどの課題が生じる。

■小学校に「日本語クラス」

 おむすびは宮城教育大の高橋亜紀子教授(日本語教育学)や仙台市の市民団体「外国人の子ども・サポートの会」の田所希衣子代表、栗原市高清水小の蛯名博人校長らが設立した。

 10日に初の座談会がオンラインで開かれた。高橋教授は「どの学校でも今後、外国ルーツの子が入学してくる可能性はある。地域や学校で支える必要性を考えることは重要だ」と設立の意義を強調した。

 蛯名校長はアフガニスタンやパキスタン国籍の子どもら9人が在籍する高清水小の取り組みを紹介。同校は昨年度、非常勤の日本語指導員2人のサポートで、遊びや勉強を通して日本語や日本文化に触れる「日本語クラス」を開設した。

 同クラスでは子ども自身が母国の紹介ポスターを作って校内に張り出したり、羽子板を作るなどした。18日には、両国で人気の「クリケット」も体験した。

■全国で9万人超が公立学校に

 20日まで指導員を務めた松山里美さん(41)は「日本語をうまく理解できず、通常学級でストレスをためた子たちのガス抜きにもなっている。支援の工夫や悩みを相談できる場はこれまでなく、おむすびの設立はありがたい」と話す。

 文部科学省の学校基本調査(2018年)によると、公立学校に通う外国籍の児童生徒は9万3133人。同省の別の調査(同)では、日本語指導が必要な児童生徒は全国で5万1126人(宮城県は146人)おり、このうち学校で何の支援も受けていない子が1万989人を占めることが判明した。



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