厚労省が突如ぶち上げた「代替保育案」 コロナで疲弊する保育士と親から非難殺到のワケ(中西美穂)



Yahoo!ニュース様 https://news.yahoo.co.jp/articles/97ea7da35d30f3712c560fc5e4bcb49a2df33ba9
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 新型コロナウイルスの影響で、保育所や認定こども園の休園が急増している。厚労省によると、3日時点で全面休園している園は777カ所。保育園が休園となり、保護者の負担が増しているが、それは保育園やこども園の保育士たちも同じ。現場でコロナ対応にあたっている保育士に話を聞いた。 【写真】後藤厚労相には耐震偽装事件報道に“激高”の過去 「どうにか、休園せずにやっていますが、正直、保育士たちも疲弊しています。コロナ感染を防ぐために、その子どもの家族構成や、どういった場所でどういったことをしたのかまでを事細かく記録しています。陽性者が出たら、接触のあった子どもとその家族への対応、そして、それ以外の子ども、家庭への対応と、対応すべきことが多岐に渡ります。さらに、コロナが不安な保護者からは毎日のように電話がかかってきますし、それに対して丁寧に説明をしなければいけません。日々の保育以外に対応することが多すぎてパンクしています」  子どもが接触の可能性があることがわかり、登園を控えるように要請された3歳と6歳になる子どもを育てる母親のAさん(30代)はこう語る。 「『お子さんに接触の可能性があるので明日は休ませてください』と、夜遅くに連絡があったので、次の日の仕事の調整が大変でした。営業先との打ち合わせは私でないと担当できないので、急遽リモートに切り替えて対応してもらいましたが、子どもが横でわーわー叫ぶので、先方には苦笑いされるわ、私も集中できないわで、まともに仕事なんてできませんでした」 ■そもそもこの状況で保育士をどうやって確保するのか?  疲弊する家庭やパンク寸前の保育園、こども園が増加する中で、救済案として、厚労省が突如発表したのが代替保育の促進だ。現行では、休園した園の子どもを他の施設や公民館で預かる場合、補助単価が少なくなるため、それを補填するのだという。保護者が働き続きやすい環境を整えるために、自治体に財政支援する案が柱だが、SNS上では次々と非難めいた声が上がっている。 〈保育士がただでさえ不足しているのに、どうやって保育士を確保するのか。そもそも根底のところをはき違えている〉 〈国は金を出せばいいと思っているが、現場の声をまったく聞いていない。保育士や設備を用意するところが一番、難しいところでしょうが〉 〈子どもが新しい場所で生活に慣れるまでどれぐらいかかるか全くわかってない。子育てしたことがないからこの発言ができるんでしょう〉 〈保育士だって、そんなリスクの高い仕事引き受けるわけがない。保育というものを何なのか全くわかっていない〉と、保育現場の声を無視した厚労省の対応にあきれ果てている状態だ。 ■厚労省は「財源は用意した」で“やってます感”をアピール  お金の問題より、先に解決すべきなのは、肝心な保育施設や保育士の確保だ。そして、それを運営するのは自治体だ。一般的に行われる一時保育でさえ、コロナ禍で休止している自治体が多い中、代替保育に進んで整備する自治体は、かなり限定的だろう。声高に「代替保育を推進します!」と叫び、国民の耳目を集めることで"やってます感"をアピールをすることが厚労省の狙いかもしれないが、それでは根本解決には至らない。「国が財源は用意したので、あとは自治体にお任せします」という姿勢はあまりにも無責任ではないだろうか。

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