保育教諭の保育士資格取得 新たな特例案を大筋で了承



教育新聞様 https://www.kyobun.co.jp/news/20220613_04/
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 幼保連携型認定こども園に勤務する保育教諭の保育士資格の取得に必要な単位数の特例の、さらなる軽減案を検討していた厚労省の「保育士養成課程等検討会」は6月13日、第2回会合をオンラインで開いた。軽減案で単位が2単位から1単位になる「子ども家庭支援論」と「乳児保育」について、それぞれの授業イメージが厚労省から提示され、おおむね了承された。厚労省ではこの内容を夏ごろまでに通知したい考え。

2015年度に創設された幼保連携型認定こども園に勤務する保育教諭は、幼稚園教諭免許状と保育士資格の両方を持っている必要があるが、10年間は幼稚園教諭免許状か保育士資格のいずれか一方を持っていれば、保育教諭になれる経過措置が設けられている。一方で、幼稚園教諭免許状と保育士資格の併有を促進するために、24年度末までは、保育所、幼稚園、認定こども園などでの勤務経験が「3年かつ4320時間」あれば、8単位を修得することで、もう一方の免許・資格取得に必要な単位数を軽減する特例が設けられている。

今回の軽減案では、24年度末までにさらに併有を促進するため、幼保連携型認定こども園で働いていて幼稚園教諭免許状のみを持っており、「3年かつ4320時間」の勤務経験に加え、さらに「2年かつ2880時間」の幼保連携型認定こども園での保育教諭としての勤務経験がある人を対象に、「子ども家庭支援論」と「乳児保育」を2単位から1単位に減らす方向で検討が進められていた。

 この日の会合では、単位が減る「子ども家庭支援論」と「乳児保育」について、重点を置くべき内容を提案。実務経験とこれらの科目の内容を結び付けるための工夫も含めた授業例のイメージを示した。

 講義で行われる「子ども家庭支援論」では、▽子ども家庭支援の意義と体制▽保育士による子ども家庭支援の基本▽多様な支援の展開と関係機関との連携――について重点的に取り扱うとし、受講者自身の実践を振り返ったり、グループワークなどにより、それぞれの施設の実情や課題を共有して、一般化された実践の現状や課題として捉えて考えたりすることを求めた。

 また、演習の「乳児保育」では、▽3歳未満児の発育・発達を踏まえた保育内容▽乳児保育の実際▽乳児保育における連携・協働――を軸に、個別の保育計画の作成や、実践における観察や記録の方法などを身に付けるとされた。

 出席者からは「重要な科目の単位が一見減少すると見えてしまうところを、重要だからこそ学び方を変えながら受講者の実態に合わせて転換している。2年間の実務経験の実践を学習資源にして、より実態に合った学び方を提供しており、理論を学びつつ実践を振り返り、それを共有することで一般化するという、実務家が学ぶプロセスが講義の中で展開されると期待される」など、この提案を支持する意見が大半を占め、大筋で了承された。

 厚労省では、この内容を整理した上で、夏ごろまでにこの特例について通知する方針。



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