消毒より「換気」-保育施設対象に研修会 対角に窓開放/扇風機も有効



山形新聞様
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県内では27日、新型コロナウイルスの1日当たりの新規感染者数が851人と過去最多を更新した。流行第7波でもクラスター(感染者集団)が保育施設で相次ぐ状況を受け、県内の保育所や認定こども園、幼稚園など施設関係者を対象とした県主催の研修会が同日オンラインで開かれ、参加者が効果的な換気など感染予防策に理解を深めた。

 県によると、直近の21~27日の1週間に公表された計29のクラスターのうち保育施設は最多の9カ所。保育施設は乳幼児がマスクなしで触れ合い、保育士も抱っこなどで密接に関わるため、感染予防が難しいとされる。一方で政府は社会機能の維持のため、施設側に事業継続を求めている。

 阿彦忠之県医療統括監が講師を務め、国の知見などに触れて説明した。感染経路は感染者のせきやくしゃみ、会話などの際に出るウイルスを含んだエアロゾル(飛沫(ひまつ)よりも小さい飛沫核)の吸入が主体だとして「エアロゾルは1メートルを超えて空気中にとどまるため、換気が不十分な環境では感染が広がるリスクがある」と指摘。ウイルスに汚染された物体表面からの感染リスクは低いとし「おもちゃや遊具の消毒に労力を割くよりも優先すべきは効果的な換気」と強調した。

 効果的な換気として▽できるだけ対角の2方向の窓を常時開放▽換気用ファンやフィルター付き空気清浄器の使用など適切な補完的措置―を提示。エアロゾルの浮遊リスクが低い空間(人が少ない所)から多い所に向けた気流をつくり、間仕切りの配置は気流を阻害しないよう求めた。自然に風が起こりにくい場合は、扇風機などを窓に向けて空気のよどみを解消することも有効とした。

 阿彦氏は二酸化炭素濃度測定器の効果的な活用も促し「幼児が集合する場所や大型の遊具内、風通しの悪い場所など密集時の二酸化炭素濃度を定期的に測定し、換気の改善につなげてほしい」と呼びかけた。



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