シュタイナー教育の幼稚園、閉鎖の危機に保護者立ち上がる NPO法人化、5人が運営参加


YAHOO!JAPANニュース様

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シュタイナー教育を取り入れた保育を行う岐阜市蔵前の「幼稚舎サンタセシリア」が、今夏から保護者が役員に加わったNPO法人として新たな運営を始めた。もともと定員24人と少人数の保育を行ってきたが、一時は子どもが5人にまで減少して閉鎖の危機に。存続を願う保護者が立ち上がり、企業経営など自前のスキルを生かし、運営を支えている。 1977年に開所し、35年ほど前からは子どもの個性を尊重したシュタイナー教育を行う。クラスは異年齢の縦割りで、外には滑り台やブランコなどの遊具はない。木登りをしたり、散歩に出かければ虫取りが始まったりと、子どもの主体性を重んじてきた。施設長の北村明倫子(ありこ)さん(61)は「人間の成長で必要なのは、まずは体をつくること。そして心の成長」と話す。通園バスも、給食もないが、保護者で法人理事の村井遊歩さん(44)は「この子には今何が必要か、子どもの学び、成長を一番に考えてくれる」と、同舎に通わせる理由を話す。  だが、2019年に始まった幼児教育・保育の無償化で状況が変わる。現在は無償化対象の認可外保育施設だが、以前は対象外だったため、19年度の入園はゼロに。一時、子どもは5人まで減った。同舎は明倫子さん、長女祥子さん(28)が個人事業主として営み、赤字が出れば自分たちで補ってきた。その後、子どもの数は増えたが、激減時の赤字が重く響き21年度末での閉鎖を決めた。すると、保護者、卒業生からも存続を望む声が出て、NPO法人化を提案された。  5人の保護者が役員となり、企業経営、税理士など自前のスキルで経営をサポートする。副代表理事を務める蒲勇介さん(42)は別のNPO法人を運営しており、そのノウハウを生かす。「NPO法人としたのは利益のためではなく、サンタセシリアの教育を残したいから。幼児教育にもっと多様な選択肢があってもいい」と話す。  代表理事となった祥子さんは「経営のサポートを受け、私と母は子どものための保育に集中できるようになった」と感謝する。目下の課題は保育士の確保。同舎の教育に賛同してくれる保育士を募っている。


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