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YAHOO!JAPANニュース様
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1月、総務省が公表した2022年の人口移動報告によると、東京都は約3万8000人の転入超過だったのに対し、新潟県は5800人の転出超過。
首都圏の一極集中の傾向が再び強まる中、人口減少に立ち向かおうと、新潟県南魚沼市などが始めた「保育園留学」という事業に注目が集まっている。どんな取り組みなのか取材した。
雪遊びも体験!「保育園留学」
南魚沼市の金城幼稚園・保育園。この日、母・茉優さんに付き添われ登園したのは、市川咲茉ちゃん(5)。 普段、東京で暮らす市川さん親子。南魚沼市の園に通う理由が… 市川茉優さん: 「保育園留学」という仕組みを見つけて、チェックイン日含め、きょうで4日目 保育園留学とは、首都圏をはじめ、遠方に住む子どもを2週間~3週間、地域の園で受け入れ、その家族も一緒に滞在できるプログラム。 東京の企業が地方の自治体と連携し、運営していて、南魚沼市では2022年10月、北海道厚沢部町などに続き、全国3例目として始まった。 この日、咲茉ちゃんが通う年中クラスは、みんなが集まるとスノーウェアに着替え外へ。 杉本一機キャスター: 子どもたち、きょうはフカフカに積もった新雪の上で雪遊び。雪合戦に雪だるまづくりと、自然のなかで大はしゃぎです 南魚沼の雄大な自然とのふれあいを大切にするこちらの園では、季節ごとの体験を充実させている。この日は今シーズン一番の寒波が多くの雪を運んできたが、子どもたちにとっては絶好の遊びの道具。 東京では普段、触れることのない雪に咲茉ちゃんも大喜び。 (Q.雪遊びはどう?) 市川咲茉ちゃん: 楽しい。雪遊び一回もしたことないの この日は留学開始から4日目だが、地元の園児たちともすっかり馴染んでいるようだ。 たっぷり外遊びをしたあとは、給食の時間。ご飯は地域の名産・魚沼産コシヒカリ。 市川咲茉ちゃん: おいしい あっという間に完食すると、ご飯をおかわりし、南魚沼の食も堪能した咲茉ちゃん。 一方、保育園留学を受け入れる園にとってもメリットがあると言う。 金城幼稚園・保育園 角谷正雄 園長: 色んな人と関わっていくことで、社会性を身につけるとか、助け合う場面が多く出てくると思う。初めて会った友達と、どういうふうに対応したらいいのか、困っている子がいたらどうしたらいいのか、考えていく機会にもなる
「親もリフレッシュ」
園での楽しい一日はあっという間に終わり、お迎えの時間に。 茉優さんと咲茉ちゃんたちが帰るのは、園から車で8分ほどの所にある南魚沼市が用意した滞在施設。もともと、住宅会社のモデルハウスとなっていて、家具や家電が一通り備え付けられたこの施設で、家族は保育園留学中の2週間を過ごす。 市川茉優さん: 普段、旅行に行くのと同じような感じで、洋服だけ持ってくるみたいな こうした宿泊費や園の一時預かり料金などを含め、保育園留学にかかる費用は20万円~30万円ほど。南魚沼市では、2022年度中に、すでに7組の家族の留学が決まっている。 この仮の住まいで仕事をしていたのは、咲茉ちゃんの父・洋輔さん。証券会社に勤めていて、この2週間はリモートワークをしている。 市川洋輔さん: 仕事に支障がない状態で、親のほうもリフレッシュできるので、すごく良い制度 そもそも、市川さん一家は、なぜ保育園留学しようと考えたのだろうか? 市川茉優さん: 小学生になる前に、色んなことを自由にやらせてあげたいなと。保育園留学だったら、月曜から金曜は新しい保育園で新しいことができて、土日はその地域の催しものとかイベントに参加できるというのはすごくいい
「定住」ではなく「関係人口」増へ
一方で受け入れる自治体側にも、ねらいがある。 南魚沼市 林茂男 市長: 東京で生活をして、仕事をしている人がいきなり田舎に。来てほしいが、そうは簡単にいかないというところがある 若い世代の流出などで、人口減少が進む南魚沼市。現在は10年前から6000人減った、約5万4000人で、さらに20年後には4万人を切る推計も出されている。 これまで、市の人口減少対策の中心は「定住」を目指したものだったが、思い通りの成果は得られなかった。 こうした中、保育園留学には、子育て世代をターゲットに、まずは実際の生活体験をしてもらい、南魚沼市に良い印象を持ってくれる「関係人口」を増やすねらいを込めたと林市長は話す。 南魚沼市 林茂男 市長: 住民台帳上の人口が増えなくても、生活者が増えるということは、うちの経済にも影響するし、おそらく口伝いに伝わるものもある。いきなり、ねらいではなく、その中間があるんだなと改めて思った
魅力を発見「違う季節も来たい」
東京から訪れた市川さん家族。休みの日にはスキー場に出かけ、咲茉ちゃんは念願のスキーデビューを果たすなど、家族で南魚沼市の魅力に触れた。 そんな保育園留学中の生活について… 市川洋輔さん: 2週間しかいない子どもたちのために、フォローとかもしっかりしているので、周りにおすすめしようと思っている 市川茉優さん: 子どものために良い環境がしっかりある地域だなと思っていて、「違う季節も来てみたい」という話はしている 子育てを通し、新たな交流の形を。人口減少が進む地方で試行錯誤が続いている。 (NST新潟総合テレビ)
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