保育士の配置基準どうなる?「次元の異なる少子化対策」議論は


NHK様


------------------------------------------------------------------------------------------------

少子化対策の具体化に向けた政府の会議は17日、幼児教育の充実などをテーマに有識者からヒアリングを行い、全ての子どもが保育を受けられる権利を保障する制度の導入を求める意見などが出されました。

次元の異なる少子化対策

岸田総理大臣が目指す「次元の異なる少子化対策」の具体化に向けて、政府は20日、内閣府や厚生労働省などによる3回目の会議を開きました。

岸田首相
「年齢・性別を問わず皆が参加する次元が異なる子ども・子育て政策を進め、日本の少子化トレンドを何とか反転させたい。率直な意見を伺い、子ども・子育て政策の強化につなげていきたい」

このあと、幼児教育や保育サービスの充実、それに家庭での子育て支援の拡充などをテーマに有識者からヒアリングが行われました。

このうち、待機児童問題などに取り組んできた市民団体「みらい子育て全国ネットワーク」の天野妙代表は、幼児から高等教育までの全ての教育費を無償化することや、全ての子どもたちが保育を受けられる権利を保障する「国民皆保育」の制度を速やかに導入するよう求めました。

政府は次回の会合で、働き方改革などをテーマに有識者からヒアリングを行った上で、3月末をめどに少子化対策の具体策のたたき台をまとめることにしています。

保育士の配置基準見直しを

少子化対策として、保育サービスをどう充実させるのか。
現場からは保育士の配置基準の見直しを求める声が上がっています。

国による保育士の配置基準は、子どもの人数に対して、必要な保育士の人数を定めたものです。戦後まもない1948年に定められ一部の年齢では、見直しが行われましたが、4歳児以上は70年以上も、当時の基準のままとなっています。

現在の基準は、0歳児は、保育士1人に対して3人、1歳児と2歳児は1人に6人、3歳児が1人に20人、4,5歳児が1人に30人となっています。

保育現場では

保育現場からは今の配置基準では、園児に対して十分な対応ができないとして見直しを求める声が上がっています。

埼玉県鴻巣市にある認可保育園です。2歳児のクラスでは、国の配置基準と同じく、2人の保育士が12人の園児をみています。

午前中は、2歳児クラス全員でピアノの音にあわせて体を動かすリズム活動をしていました。しかし、活動に飽きた数人の子どもが部屋の隅で遊び始めると、1人の保育士が、子どもたちに駆け寄って声をかけます。

この園では、子どもの「やりたいという気持ち」を尊重する保育を実践していますが「イヤイヤ期」の子どもどうしはトラブルもあり、安全面に配慮するため、保育士は息つく間もありません。

担当の保育士
「もう1人保育士がいたら、子どもにもっと寄り添った保育ができるのにと思います」

「どんぐりっこ保育園」 久保田泰雄園長
「最後に配置基準が見直されたおよそ20年前と比べても、子どもたちは多様化しています。それに対応するためには今の配置基準では難しく、ぜひ見直しを考えてほしい。保育園のサポートが、しっかりあれば、安心して子どもを産み育てることができると思います」

政府は次回の会合で、働き方改革などをテーマに有識者からヒアリングを行ったうえで、3月末をめどに少子化対策の具体策のたたき台をまとめることにしています。

------------------------------------------------------------------------------------------------

コメント