少子化直撃で幼稚園に受難の時代、「園同士のツブし合い」も常態化―中国


livedoor NEWS様


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中国では少子化の急速な進行に伴い、幼稚園経営が「受難の季節」を迎えており、多くの幼稚園が園児確保に躍起になっている。他の園に通う園児を「奪い取る」など、園と園の「ツブし合い」とも言える現象も増加している。

中国では学年が9月に始まる。北京市房山区にある北京鳳凰禾童幼兒園では、これまで毎年3月から8月にかけて、わが子の入園を求める保護者からの電話が殺到した。そして、多くの子が入園の「順番待ち」をすることになった。

しかし2022年にはかかって来た電話が半数以下になり、当初は新入生は4クラス体制で出発するはずだったのに、新学年が始まった9月には3クラスしか開設しないことにした。

中国では17年以来、新生児数が前年比で100万-200万人減少し続けている。就学前教育は、新生児の減少の影響を最も早く受ける分野だ。中国の幼稚園はすでに「生存の危機」に直面している。

そのために民営幼稚園の間で発生したのが、露骨な「ツブし合い」だ。北京鳳凰禾童幼兒園の張裕欣園長によると、同園でも「引き抜かれた園児」がいた。また、他の園では入園を希望した児童のうち60人以上が他の園に「さらわれた」という。

少子化が早く始まった香港では、閉園ラッシュや職員の「首切り」ラッシュが一巡した。22年10月までに、閉園となった幼稚園は20以上に上る。ただし、同様に少子化を経験したシンガポールの状況は、少子化でも閉園ラッシュを食い止めることができることを示している。ただしそのためには、0-3歳児も受け入れたり、さらに重要なのは在園時間の延長などで、保護者の仕事上のスケジュールとの関係で問題が出にくいようにするなどの努力が必要という。

少子化がさらに早く進行した日本では、幼稚園側が教育熱心な保護者の歓心を得ようと、「勉強」を強化したり、英語やパソコン、テニス、水泳などのカリキュラムを導入することがあり、早期教育の専門家から「就学前教育が保護者のニーズに屈している。どのような教育が就学前の子どもにとって本当に役に立つのかを軽視している」との批判も出ている。(翻訳・編集/如月隼人)

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