保育士|復職して深まった子どもと保護者に寄りそう気持ち

南日本新聞


          
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田中 佳代さん
(星愛福祉会 愛の星保育園/鹿児島市)

明るい保育室でおもちゃや絵本に夢中の園児たち。一緒に遊ぶ間、次々と飛んでくる元気な声に優しい笑顔で応える。

ブランクをへて保育士に復帰

短大卒業後、地元の保育園に就職し、保育士として6年間勤めた。夫の福岡転勤に伴い一度は退職したものの、6年後に再び鹿児島へ。以前の同僚からのラブコールを受け、パートで復職を果たした。

福岡在住時に2人の子どもを出産。復帰後の育児や家事との両立は、思った以上に大変だった。10カ月後には正規職員としてフルタイム勤務に。忙しさから子どもをせかしたり、夫と意見がぶつかったりすることも増えた。「今振り返ると、いっぱいいっぱいだったと思う」

そんな時、救いになったのはわが子を預かってくれる保育士たちだ。「こんなことができるようになりましたよ、と教えてくれたのも先生」。子どもは親だけで育てるものではないと気付かされた。

夫や実家に頼り、自分の中のハードルも下げた。「洗濯物が散らかっていても、家事を分担してくれる夫や3人の子どもたちとの時間があるから頑張れる」

わが子を預ける立場を経験し、保護者に寄り添う気持ちはより強くなった。「皆さん朝早く起きてバタバタと準備して、やっと保育園に連れてくる。そして自分の仕事に向かう。本当にすごい」。子育ての経験がない職員にも自らの体験や思いを伝え、園全体で保護者をフォローできる姿勢を整える。

愛くるしい笑顔を守るために

想像を超えた言動で、驚きと喜びをくれる子どもたち。愛くるしい笑顔を見守る保育士の存在は大きい。「けががないよう常に気を張るハードな仕事。けれどそれ以上に楽しい。面白いことが一日にいくつも起こって、みんな本当にかわいい」

保育士として働きたいと思いながらも、家事や育児、介護などで仕事を全うできるか不安、という人も多い。「今は午前中だけ、短時間、といろいろな働き方を選べる。見学して、お給料も含め自分にフィットする園を選んで、一歩踏み出してもらえたらうれしい」

笑ったり泣いたり、子どもたちは全力で生きる。明るい未来を育むまなざしは強く、温かい。


田中 佳代(たなか・かよ)さん
プロフィール

1977年鹿児島市生まれ。鹿児島女子短期大学児童教育学科幼児教育学専攻卒業後、99年星の子保育園に就職。2005年夫の転勤のため退職。11年、星の子保育園に再就職。12年からは愛の星保育園にて主任保育士を務める。3人の子どもの母親として子育てをしながら、仕事に励む日々。


今これに夢中です

「息子のバスケ応援」

中学生の息子がしているバスケットボールの試合に応援に行くことが楽しみです。頑張っている姿を見て元気をもらっています。

資格について

幼稚園教諭二種免許、保育士資格、ワープロ検定2級

今後の目標

園児が毎日元気よく健やかに過ごせ、職場の先生たちも楽しく元気に働ける環境づくりに努めたいです。時間が取れるときに家の断捨離をしたい、子育てが落ち着いたら趣味の時間を持ちたいと、思い描いています。

 


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