子ども1人につき最大36万円 都の“ベビーシッター補助”利用者が140倍以上に 急増のワケは?「リフレッシュ」でも利用可能

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東京都の一時預かりベビーシッター補助の利用者が急増している。
 

都のベビーシッター補助は、利用者に対して、居住地の市区町村が利用料の一部を助成するもので
①保育園に入れなかった待機児童向け
②一時預かり
の2種類がある。 

 都の“ベビーシッター補助” 利用者140倍以上に 

急増しているのは「一時預かり」で、事業を開始した2020年度の利用者は2自治体の44人だったが、2022年度は15自治体が実施し、6302人にのぼった。

小池知事が「ベビーシッター利用料を補助する」と発表した際には「異例」とか「都でやることなのか」など疑問視する声もあがったが、2022年度は補助金の予算を使い切っており「こんなに浸透するとは…」と関係者が驚くほどの広がりを見せている。 

子供1人に最大36万円 双子以上なら倍額の補助  

補助対象は0~5歳の未就学児で、都が認定したベビーシッター事業者から自ら選んで予約、利用時に料金を全額支払い、後日補助金の交付申請を行い補助金を受給すれば、差額のみが自己負担となる。

子ども1人につき、1時間当たり2500円(午後10時~翌午前7時は1時間3500円)の補助を受けられ、年間144時間まで利用可能。 2500円✕144時間、つまり年間最大36万円まで補助を受けられることになる。

また、双子など多胎児は育児の大変さから、子供1人につき288時間、最大72万円補助される。 

急増のワケは…「リフレッシュ」のための利用も可能 

ベビーシッター補助金利用には「月48時間以上の就労を常態としている」「妊娠中または出産直後」などの保育認定は不要だ。

さらに保護者の残業や病気、学校行事等だけでなく、リフレッシュ、自己実現など、幅広い理由で利用が可能。もちろん専業主婦・主夫も利用できる。 

「私自身、心穏やかに育児に励むことができています」
0歳と3歳の子供を、保育園を利用せずに育てている母から寄せられた声だ。

「1人で家事育児をして身動きが取れないことが多かったが、ベビーシッターは自宅に来てくれるので行き帰りの時間もかからず、子供たちも1対1で対応してもらえて喜んでいる」とも。

こちらの家庭では子供1人に対し1人のベビーシッターを利用しているが、複数人の子供がいる場合、1人のベビーシッターに複数人の子供をみるよう求める保護者もいるという。

しかし都は「1人の子供に1人のベビーシッターが原則」とし、双子の場合はベビーシッターを2人利用してほしい、としている。 
 

“預けない”ベビーシッターも 

「ベビーシッターと一緒に共同保育して、子育ての仕方を学ぶこともできます」
都の担当者は、ベビーシッターは子供を預けるだけでなく、自宅で一緒に子育てをできるメリットがある、と話す。 

令和4年度東京都福祉保健基礎調査によると、都内の家族類型は「親と子」の割合が93.1%、「祖父母と親と子」が6.1%となっている。

 両親・ひとり親世帯別にみると、両親世帯は「親と子」94.9%、「祖父母と親と子」4.6%、ひとり親世帯では「親と子」82.8%「祖父母と親と子」14.7%となっている。

“子育ての先輩”がいない家庭が多い中、ベビーシッターがその役割を担う場面が増えていくのかもしれない。 
 

事前面談や電話相談で利用前の確認が大事

このようにベビーシッターの利用が急増する一方で、都の補助事業を利用した場合で確認されたとの報告はないが、ベビーシッターによるわいせつ事件等もおきている。

ベビーシッター補助は、都が認定する事業者から、自ら利用する事業者を選んで申し込むものだ。

不安を抱いたり後悔をしないためにも、まずは自分がどのようなベビーシッターを望むのかを明確にし、事業者ごとに対応は異なるが、事前の面談や電話相談等を活用して、自らの目で預ける相手を確認し、利用することが重要なのではないか。 
【取材・執筆:社会部都庁担当 小川美那】


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