「保育は素敵な仕事だと学生に知ってほしい」学生主導で保育の魅力発信 団体設立からプロジェクト当日まで

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特集は保育の話題。学生にとっては職場環境など現場を見る機会が限られていることで、就職の選択肢としてなかなか理解を得られない現状があります。こうした中、情報提供の場を広げようと奮闘する大学生を取材しました。

金城大学4年・吉本春香さん 「今何してるの?とか言ったら、スムーズに遊びに入れてくれるかなと思う」 幼い子どもとの関わりに不慣れな高校生にアドバイスを送るのは、金城大学4年の吉本春香さん。大学で保育について学ぶ傍ら、「保育業界を明るくしたい」という思いがあります。 ■「みんなで保育業界へ一歩踏み出そう」学生が団体設立 「ほいっぽ」キックオフミーティング 今年4月、吉本さんをリーダーとして、石川県内3つの大学から集まった11人の学生が立ち上げた「ほいっぽ」。「みんなで保育業界へ一歩踏み出そう」との思いが込められています。 ほいっぽリーダー・吉本春香さん 「保育士って本当に素敵なお仕事なんだよっていうのを、学生に思ってもらえるように…」 ■保育者に合っているのか悩む日々…現場経験を通して変化が 学生の立場から保育業界の良さを発信したいと感じたきっかけは、自身の経験にありました。 ほいっぽリーダー・吉本春香さん 「実習でしか現場に行く機会が無いという学校もあり、私自身も保育者に本当に合っているのかなという悩みがあったり…」 就職情報サイトなどを運営するマイナビが大学で保育を学ぶ学生のアンケートを行ったところ、学生の8割近くが職場内の人間関係が不安と回答。 また、保育士や幼稚園教諭として働きたいかという問いに対しては、およそ半数が「働きたくない」または「迷っている」という結果が。 当時金城大学2年・吉本春香さん 「おはようございます。金城大学2年の吉本春香です」 2年前の吉本さんです。実習のほか、アルバイトとして様々な保育施設に足を運んだことで、気持ちに変化があったといいます。 ほいっぽリーダー・吉本春香さん 「もう本当に全部いい園だったので、自分が思っているより保育って楽しいというのをいろんな園に行って感じました」

保育業界の魅力を広めるため、自ら仲間を集め設立した「ほいっぽ」 今年8月には県内の保育施設にも声をかけ、園長や職員から園の魅力を学生が直接聞くことができる初のイベントを開きました。 こうした中、設立時から思い描いていたあるプロジェクトがあります。 ■ 団体設立時から思い描く“とあるプロジェクト” ほいっぽリーダー・吉本春香さん 「保育者に関わってもらい高校生に保育の魅力を知ってもらう、更に保育の魅力を大学生側からも伝えて、これからの保育士になる人材を増やしていこうという目的で…」 それが、高校生のための1日現場体験「たまごプロジェクト」。保育者への質問をまとめる話し合いでは、学生の目線からこんな意見も飛び交いました。 ほいっぽリーダー・吉本春香さん 「クスッと笑える職業病、これは面白いから絶対に引くようにしよう」 ほいっぽサブリーダー・永田ちひろさん 「例えばなんでも自分で作ってしまうとか…?ライブのうちわ作る時に、みんなは市販ものを買う。でも自分で作れるかなと思って結果自分で作ってしまう。実習の時に画用紙とかで工作をやってるからいけるかなみたいな。」 ほいっぽリーダー・吉本春香さん 「そういうのを知りたい!私達も知りたいし高校生も知れたらおもしろいよね、みたいな」 保育への熱い思いから次々とアイデアが浮かびます。 ほいっぽリーダー・吉本春香さん 「保育の魅力が伝わることが一番伝わってほしいことで、それで高校生たちが自分の進路で悩んでいることとか解決できたらすごく嬉しいです」 ■ 迎えた当日…高校生の現場体験スタート プロジェクトに向けて対面とリモートで何度も話し合いを重ね、迎えたイベント当日。揃いのTシャツに身を包んだメンバーたちが集まりました。 メンバーと高校生がそれぞれ5つの園に分かれ保育の現場体験がスタート。 ほいっぽリーダー・吉本春香さん 「今何してるの?とか言ったら、スムーズに遊びに入れてくれるかなと思う。最初は声かけにくいと思うから、一緒にしよう」 参加した高校生全員が保育者を目指しているわけではなく、中には子どもの発達過程に興味があり、参加を決めたという生徒もいます。 金沢泉丘校1年・井上茉莉花さん 「これはユニコーン?」 園児 「うん、これ私のオススメ」

金沢泉丘校1年井上茉莉花さん 「子どもの発達に興味があり、いろいろな本を読んでいますが、その本に書いてあることを実践してみたら本当だったりして、すごいなと思いました」 高校生に寄り添いながら、ほいっぽのメンバーも全力で子どもと関わります。 長土塀こども園・小田幸恵園長 「頼もしい。学生がこんなに前向きに保育のこととか教育のことを考えているのが本当にすごいです」 お昼ごはんは懐かしの給食を楽しみました。 ■保育者との座談会で聞くことができた「現場の生の声」 保育者との座談会で聞くことができたのは現場ならではの生の声です。 長土塀こども園・渡辺唯蕗さん 「今1歳児を担当しています。1歳児は友達と関わることも増えてきて、そこでやっぱり喧嘩とかが起きます。それって悪いことじゃなくて、人との関係を築いていける一歩だと思うので、私たちはプラスに感じられるようにしています」 サブリーダー 永田ちひろさんのグループでは、こんな質問も… ほいっぽサブリーダー・永田ちひろさん 「職業病ってありますか?」 保育歴11年・松任詩織さん 「衣服とかが名前書いて無くて、匂い嗅いだらこの子のや!とかかな」 ■ 休みがあっても仕事をしているイメージだったけれど… こうして金沢市内5つの園で活動を終えた参加者たち。 高校生は… 「平日休みで推しのライブに行ったりと聞いた。いいなーと思った、休みあっても家で仕事してそうなイメージだったから」 高校生の気づきにより完成したのは個性豊かな新聞です。 ほいっぽリーダー・吉本春香さん 「高校生にとってどういうことが一番したいかなというのをみんなで話し合って、現場体験だけだと中学にやった時と被るねとなったのでこういう交流会で振り返りや大学紹介を行い、私たちにしかできないことを詰め込んだ形です」 ■ 「これに命かけてる」保育への熱意 吉本さんの高校時代を知る人たちは、保育士への夢や熱意が印象的と話します。 高校時代の塾講師・津本高宏さん 「大学生になっても関わりがあったので、ずっと保育士になりたいとか保育業界を良くしたいと言っていたから団体のリーダーになるべくしてなったなという感じです」

ほいっぽサブリーダー・永田ちひろさん 「吉本さんが『私これに人生かけてるんだよね』っていうことを話してくれた時に一緒に走りたいと思ったから、不安はあったけど何とかなるだろうと思って参加できました」 吉本さんが保育を目指したのは小学5年生のころ、きっかけは祖母の一言でした。 ほいっぽリーダー・吉本春香さん 「年下の子と遊ぶ姿をおばあちゃんが見ていて、保育士になったら?というのを言ってくれた時にビビっと来て、それきっかけでずっと保育士になりたいと言ってきました」 今年の春にほいっぽを立ち上げ、これまで活動を続けてきた吉本春香さん。スタジオで今、伝えたいことを話してくれました。 ほいっぽリーダー・吉本春香さん 「保育に対してや保育者に対して今、あまり良い印象を持っていない人もいるかと思うのですが、そうではなくて。大変なこともあるのですが、それ以上に保育って面白くて、奥深くて。本当に保育ってすごく楽しいのでその魅力を私たちほいっぽのメンバー全員で全力で伝えていくのでぜひ応援してください」 Q.大学4年生ということですが、ほいっぽの今後は…? ほいっぽリーダー・吉本春香さん 「私たち4年生が卒業した後は、3年生や2年生、1年生に引き継いでいきたいです。私を含む現在の4年生はメンバーを見守りながらサポートしていきたいと思っています」


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