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ザトウクジラの回遊の季節を迎えた年明け8日、奄美クジラ・イルカ協会(興克樹会長)では、名瀬信愛幼稚園の園児と保護者を招待し、同協会副会長の才秀樹船長(マリンスポーツ奄美代表)のウォッチング船で体験ツアーを実施した。ザトウクジラの繁殖海域としての奄美大島近海の価値やホエールウォッチングについて理解を深めてもらおうというもので、才船長の娘が同幼稚園に通う縁で昨年から開催している。
ツアーにはアグネス組の園児、保護者42人が参加。乗船前には才船長からクジラの特徴や注意事項が話されると、園児らは真剣なまなざしで聞き入っていた。この日は天気にも恵まれ、クジラが登場するまでの3時間を船内で歌を歌ったり、元気にクジラの登場を待った。乗船から3時間後、ついにクジラのブロー(水面で呼吸するときの噴気)を発見、才船長の「見つけた」の声で船首に移動した園児らは、間近で見るクジラの姿に歓喜の声を上げた。体長12㍍、1頭の成体だった。
才明日海ちゃん(6)は母親の順子さん、妹の七心海ちゃん(1)と乗船、友達らとクジラの姿に目を輝かせていた。
平良智美さんは双子の煌太ちゃん、凰太ちゃん(5)と参加。「必ずしも出会えるわけではないから、会えた感動はひとしお。ロシアから来て出産、子育てをしてまたロシアに帰る、とても神秘的な出会いだった」と話した。
奄美大島と徳之島では1~3月がホエールウォッチングのシーズンで、回遊のピークは2月と3月。今年は既に52頭が確認されている。興会長は「今年は昨年生まれた子どもが帰ってきている。6頭の個体を確認できた。順調に育ったことが確認できた。個体数が回復しているのではないか。日中の出産も確認されているので、船数制限や親子へのホエールスイムの観察時間制限なども設けられ、子育てを見守りながらの冬場の観光が定着してきている」と語った。
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