中国、少子化で約200万人の教師が2035年までに職を失う恐れ

  1. BUSINESS INSIDER



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  • 中国の出生率が低下している。2023年の出生数は、50万人減って約900万人だった。
  • 幼稚園の園児の数は2021年、約20年ぶりに減少したと報じられている。
  • 1クラスあたりの児童・生徒の数が今のままなら、2035年までに教師が200万人近く余ることになる。

中国の数十年にわたる一人っ子政策は、世界第2位の経済大国の人口動態に悪夢をもたらした —— そして、出生率が低下する中、数百万人もの教師が職を失う恐れがある。

中国の学校は歴史的に子どもたちを教室に詰め込まなければならず、多いところでは教師1人で50人を見なければならなかった。サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、このまま1クラスあたりの子どもの数を減らさなければ、中国では2035年までに小学校の教師150万人、中学校の教師37万人が余ることになるという。

中国の国家統計局によると、中国では2023年、2年連続で人口が減少した。出生率は6.77人から過去最低の6.39人に下がった。

また、2021年には幼稚園の園児の数が約20年ぶりに減少したことを中国教育部のデータが示している。小学校の児童の数も2022年に10年ぶりに減少した。


中国教育科学研究院の研究者の1人は、地域にもよるものの、児童・生徒数の減少は「必然的に」教職員の余剰をもたらすとサウスチャイナ・モーニング・ポストに語っている。研究者らの試算では、より広範な経済的混乱に起因する財政負担も地方自治体が今後、教員採用を減らすことにつながるという。

中国は2016年に一人っ子政策を廃止し、それ以来、国民にもっと子どもを産んでもらおうと取り組んでいる。例えば、人口の多い東部の杭州市では2023年、3人目の子どもを出産した家庭に2万元(約42万円)を補助し始めた。

同様の優遇措置がここ数年、各地で導入されているものの、中国の人口動態は悪化の一途をたどっている。それは少子化だけではない。コンサルタント会社テリー・グループの2023年の調査は、高齢化によって中国はアメリカや他のライバルと世界の舞台で競争することができなくなると結論付けている。

同社は人口減少だけでなく、「中国全体の扶養負担を押し上げる」高齢者の割合の増加も脅威になると見ている。

「1975年、中国には高齢者の13倍の数の子どもがいた。国連は2050年までに、高齢者の数が子どもの数の2倍になると予測している」とテリー・グループの調査員らは書いている。

人口問題以外にも、中国は歴史的な不動産セクターの混乱デフレ株式市場の極端な弱気ムードに直面している。

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