74年の時を経て「マリア幼稚園の園児集まれ」 昭和25年3月卒園の男性が「皆で写真を」と再集結呼びかけ




讀賣新聞オンライン
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傘寿を迎えた昭和25年の卒園児集まって――。小樽市のマリア幼稚園(現・小樽藤幼稚園)を1950年3月に卒園した横浜市在住の石井正明さん(80)が、卒園式の記念写真とともに、74年後の自分たちを撮影したいと、当時のクラスメートに、幼稚園に隣接しているカトリック小樽教会富岡聖堂(29年建築)に来てもらえるよう呼びかけている。「時の流れ」というタイトルで、所属している写真サークルの展覧会に発表する予定だ。

 石井さんは東京生まれ。砂川出身の父・正さんは戦前から渋谷区で写真館を経営していたが、戦争の激化で、正明さんは44年、親戚がいた札幌に母と2人で疎開した。

 翌年の大空襲で写真館が焼失したため、父も札幌に疎開。終戦後の46年に丸井百貨店小樽店(後に閉店)の中に写真室を開くことになり、一家で小樽に移り住んだ。

 正明さんは3~6歳の約4年間を小樽で暮らし、50年夏に家族で東京へ引き揚げた。幼稚園ではみんなが持参した弁当をストーブの周りに積み上げて温めた記憶があるという。

 父の写真館を継いだ正明さんは、昭和の歴代首相や芸能人の肖像写真も数多く手がけたという。再開発をきっかけに35年ほど前に廃業し、現在は、モノクロ写真を撮影する横浜のサークルに所属。今年5月の写真展の課題が「とき」だったため、父が撮ってくれた卒園式の全員写真を大きく引き伸ばして手に持ち、思い出の教会の前でセルフポートレートを撮る予定でいた。

 しかし、「どうせ撮るなら、一人でも多くの仲間と一緒に撮りたい」と思いつき、協力を呼びかけることにしたという。みんなで卒園式の写真パネルを掲げた写真を教会前で撮るつもりだ。

 富岡聖堂への集合時間は4月3日午後1時半。雨天時は教会内で撮る予定だ。

 正明さんは「あまりにも長い空白なので、何を話したらいいか分からないが、きっと自然体で話せるような気がする。一人でも多く集まってくれるとうれしい」と話している。

 石井さんへの連絡はメール(sepia@to.email.ne.jp)で。



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